硝子から、珍しく電話がかかってきた。
『千鶴が死んだ』
それは、文字通り、突然の出来事だった。
俺達は3年に進級し、任務は3人共増える一方。
傑とも硝子とも、任務で何日も会えていなかった。勿論、千鶴とも。
だから、少しだけ──ほんの少しの嬉しさを抱えながら、硝子からの電話に出たんだ。
でも耳に飛び込んできた、オマエの切羽詰まった声。硝子のそんな声、俺は知らなかった。
『五条!!!今何処にいる!!!』
「あ?なんだよ急に。今は任務終わりで新宿だけど」
『じゃあ早く…早く来い!!今から窓そっちに送るから、南口にいろ!』
「…なんなんだよ、そんな急かして。らしくねーぞ?」
『千鶴が……千鶴が、瀕死なんだよ!!!空気も読めない馬鹿野郎!!!』
そこで電話は途切れ、すぐに窓の乗った黒塗りの車が、南口の道路を走ってきた。
そこから瞬きをする間に、いつの間にか病院に着いていて──でもその時には、千鶴は息をしていなくて。
オマエ、俺がどんな思いだったか分かるか?
なぁ、千鶴。
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