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帰り道。夜風が吹く新宿の街を、私たちはゆっくり歩いた。
「……会社、辞めてきたよ」
私がポツリと言うと、光は足を止めた。
「……俺のために?」
「違う。自分のために。……光が漫才で言ってたでしょ? 泥だらけの道でも歩くのが格好いいって。私、新しい靴で、もう一度自分の人生を歩いてみたいの」
私はフラットシューズで、しっかりとアスファルトを踏みしめた。
「光が、私を肯定してくれたから。……私、もう一度、一からやり直すわ」
光は黙って私の話を聞いていた。
そして、街灯の下で、私の正面に立った。
「……あのさ。看病してもらった夜、獲ったら言いたいことあるって言っただろ」