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光の瞳が、真っ直ぐに私を射抜く。
「お姉さんが仕事辞めても、ヒール履かなくなっても、俺の隣にいるお姉さんの価値は一ミリも変わらない。……いや、今のほうが、ずっと綺麗だよ」
光が私の一歩前に踏み込む。
「……日比谷光として、言わせて。……栞のことが、好きだよ。隣に引っ越してきた不審者じゃなくて、栞を一生、一番近くで笑わせ続ける男になりたい」
「……光」
心臓が、耳元で鳴っているみたいだった。
「……私、わがままだよ? 料理もできないし、また夜中に壁ドンするかもしれないし」
「いいよ。その壁、今度は二人でぶち壊そう。……俺が、栞の人生の最高のツッコミ役になってやるから」
光はそう言うと、私の腰を抱き寄せ、力強く引き寄せた。
ブランド物の香水じゃない、光の温かい匂い。
「……私も、光が好き。……大好き」
私は光の胸に顔を埋め、もう二度と解けないような強さで、その背中に手を回した。