──────いえもん視点──────
──────ふわっ
ふわっとした感覚が俺の手から感じる。しっぽはしっかりと手入れが行き届いていて、ツヤツヤでふわふわで、もふもふだった。これは人をダメにする。既に語彙力を持っていかれてた。
どこか暖かみがあり、獣特有の匂いはなく、しかし、どこかいい匂いがする。脳が一心不乱に撫で始め、もはや自分自身を制御することは出来ない。そんな俺を見てれいまりさんは子供を見守っているような、そんな視線を感じた。その視線であまりいい気分にはならなかったが、そんなことよりもしっぽを撫でたくて、撫でまくる。
「そんなにしっぽがいいですかw?」
れいまりさんは俺の触り具合に笑いをこぼしている。まあ、別に気にはしていない。気にしてはいないのだ。
「は”ぁ”ー…づがれ”だ…」
リビングに疲弊しきっためめさんがよろめきながらこちらに向かってくる。お疲れな事が1発でわかる。全体的にだるそうにし、背を丸め込んでいる。手は宙にぶら下がり、足は少しよろめいでいた。
そう言いながらもこちら側に1歩、1歩確実に近ずいてくる。そして、れいまりさんのしっぽの上でばたりと倒れてくる。れいまりさんはめめさんをしっぽでキャッチする。ナイスキャッチだ!なんてしょうもないことを思う。
「…もふもふさいこぉー…」
そう言ってめめさんはしっぽに顔を埋め込む。れいまりさんはため息混じりだが、止めようとはしなかった。れいまりさんは先程までめめさんに向けていた視線をこちら側に戻す。
「今日はここで寝ていいですよ…。移動するの大変でしょ?」
そう言ってれいまりさんは俺の近くに2個目のしっぽを寄せてくる。既にめめさんは取り込まれたかのようにしっぽの中に埋まっていた。申し訳ない、そうは思ったがそれよりももふもふに囲まれて寝たい、という欲求に負けてしまい、その甘い誘惑に乗る。
「おやすみなさい」
れいまりさんの言葉を最後に俺は、深い、深い眠りへとつく。
夢は見なかった。
起きる。あくびをかみながら瞬きを数度する。そうすると、ぼやけていた風景がだんだんとしっかりと見えてくる。最初に見えたのはリビング…と呼んでいいのかいささか疑問ではあるほどの広さ…城の広間と言うべき程の広さの部屋の天井だ。その次に見えたのはもふもふで暖かそうなしっぽだ。このおかげで体が冷えることはなかったのだろうということが察せられた。
その次に行ったのは周りに誰かがいるかどうか。急いで首を動かし、周りの光景に目を配る。しかし、そこに居たのは先に起きて朝食の準備をするめめさんと、れいまりさんを起こそうと大声を出そうとする全長のような動きをとるガンマスさん。
俺はその光景を見た瞬間反射的に耳を塞ぐ。俺の経験が、直感が、知識が、耳を閉じろと脳に命令したからだ。
「お “ ” き “ ” ろ “ ” ッ ッ ッ ! ! ! ! 」
その大声がリビングにとどまらず、廊下をつたい、城全体に響き渡る。耳を塞いでていても貫通するようなその大声に俺はまた意識をぶっ飛ばされそうになる。耳を塞いだ後にとった行動はれいまりさんのしっぽの中に顔を埋め込み、少しでも衝撃を和らげるようにと。もはや一種の兵器だろ、なんて口が裂けても言えないが、心の中では叫ぶ。
「だまれぇえええええッ ッ!!!!」
めめさんが大声を出して注意を促すが、その声はガンマスさんの耳に届く前にガンマスさんの声によってかき消される。1回、2回と数回こだましてやっと収まる。
俺は自身の顔をしっぽから離し、そのまま起き上がる。さっきので眠気は全てと言っていいほど吹き飛ばされたが、素晴らしい朝とは大変言い難い状態にはなった。
少し壁にヒビが入った。 少しで済んだのはレイラーさんの魔法のおかげであろう。並の家や城ではヒビが入る程度では済まなかっただろう。レイラーさんに感謝!
「ガンマスさん…おはようございます」
れいまりさんは目を擦りながらあくびをする。こんなにも大声で叫んでいたのに、眠気があるのはおかしいだろう。そんな疑問を口にすることはなかったがれいまりさんに心を読まれたら意味ないだろう。まあ、無駄に言及されることはなさそうだが。
──────ドタドタッ
階段から猛スピードで降りてくる音が大きく鳴る。まあ、快適な睡眠時間を削られたものの雄叫びと言うべきか、嘆きと言うべきか、そんなものを言いに来たのだろう。そんなことを言う人はほぼ固定化されている。
「おいッ!!ガンマスッッッ!!!クッッッソうるっせぇわっ!!」
大声が再び鳴り響く。その声の持ち主はメテヲさんで、朝からお怒りのようだ。まあ、それ以外にも怒鳴り込む人がいる。
「ま〜ッじでなんなんだッッ!?朝からさぁッ!?」
次に怒鳴り込んできたのはラテさんで、毛が逆立ちしそうな勢いだ。その瞳には赤い炎を灯している。
「今回に関してはラテを止める気は無い。マジでうるさかったわ」
そう言いながらうぱさんは明らかに不機嫌な顔をしている。ラテさんとは対照的に青いオーラを感じる。
「ガンマスさん…?」
怒りの顔に笑顔を張りつけたそんな笑顔のようで笑顔ではない、そんな笑顔を浮かべた人物──────レイラーさんがガンマスさんを光がない目で見下すように見ている。
(終わったな…)
俺の心の声はガンマスさんに対する非難の声でかき消された。
ここで切ります!誤字多めだと思いますが、許してください!ちょこちょこと書き進めてたので…支離滅裂なところはあると思います…。お許しをぉぉおお!!!
それでは!おつはる!
コメント
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もふもふいいな〜…