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ロボットは歩き続けた。
子供が連れ去られた方向。
地面に残る、わずかな跡。
空気に混じる、敵ロボットの信号。
全てを拾い計算する。
ーー略奪
ーー最優先
途中、敵ロボットが現れた。
黒い装甲。
戦闘用ユニット。
かつて自分と同じだった存在。
『識別完了』
ロボットは銃を構える
カチャ
ドンッ
一体が倒れる
ドンッ、ドンッッ、ドン
破壊音が空に吸い込まれていく。
ロボットの処理の端に、声が残っている 「お母さん」
その呼び方は、命令ではない。だが、今はそれが行動の理由だった。
やがて巨大な施設が見えてきた。
中から反応がする。
ーー保護対象、確認。
ロボットは正面から突破した
ガシャンッ
ドアが歪み警報が鳴る。
ビーッビーッビーッ!
敵ロボットが集まる。
『排除 』
ドンッ!ガンッッ!ガンッ、バンッ!!
火花が散る。
施設の奥、子供がいた。小さく縮こまり、こっちを見る。
「…..お母さん?」
小さく掠れた声。
ロボットは敵を撃ち抜き、子供を抱き上げた。
『無事か』
「こわ…かった……」
その一言で十分だった。
だが、その瞬間。
ロボットの視界が揺れる。
ーーーピッ
警告表示。
ーーエネルギー残量、低下。
戦闘を続けすぎた。
出口までの距離を計算する。
ーー可能
ーー限界
その瞬間
ガンッ!!
背後に衝撃。残っていた一体の敵ロボットだった。 装甲が歪む。
ギリ……
ガンッ!
ロボットは最後の力を振り絞り、撃った。
「お母さん….? 」
子供の声が震える。
ロボットは答えようとしてーー
ーープツンッ
内部で何かが途切れた。
足が止まる。
動かない。
ロボットは、膝をついた。
ドサ…….
子供を地面に下ろし、倒れないよう支える
「大丈夫…..?」
返事は、ない。
ロボットはそのまま固まってしまった。
「お母さん…..?どうしたの…?」
「ねぇ…!!」
「お母さん…..起きてよ…….」
その声だけが、静かな世界に残った。
守るはずだった存在は、
もう動かなかった。