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2月14日/中学一年生
二つのチョコ
さくやくんにあげるチョコを悩みに悩んだ末、15個入りのブランドのチョコをプレゼントすることにした。
落ち着いた赤を基調として、中央に大きなリボンがついているデザインだ。
THE 本命に渡す用な見た目がとても気に入っている。
いつ、どんなシチュエーションで渡そうか。
私はあれこれ考えた後、 明日の昼休みに渡すことにした。
念のため、さくやくんに昼休みの予定を聞いておこう。
ともか「明日の昼休みひま?」
さくや「多分暇」
ともか「そうなんだ」
さくや「なんで?」
ともか「さくやくんに会いたくて」
我ながらすごく恥ずかしいことを言ってしまった。
どうもバレンタインのせいで舞い上がってしまっているようだ。
明日ちゃんと渡せるといいな…
さくやくんバレンタインのこと忘れてるかな…(笑)
そんなことを考えながら眠りについた。
2月14日 バレンタイン当日の昼休み
ともか「やばい!緊張してきた!! 」
ともか「無理だよぉ」
はるいち「いけ!!」
光「渡せなかったら俺にくれ」
ともか「渡せなくてもあげないよ!(笑)」
ともか「…行ってくるわ」
光「頑張れよ!!」
ともか「うん!!」
さくやくんのクラスまで向かっていると同じクラスの自称モテてる男の蓮が話しかけてきた。
蓮「ともかそれさくに渡すの?」
ともか「まあそうだけど…」
ともか「渡せるかな…(笑) 」
蓮「渡せなかったら俺にちょーだい(笑)」
ともか「まあ、いいよ」
ともか「渡すけどね」
隣のクラスの扉の前に立つも教室にいるさくやくんを呼び出す勇気はない。
私が扉の前で右往左往していると、はるいちがやってきた。
ともか「はるいちぃ…さくやくん呼んでぇ…」
はるいち「しょうがないな~僕が呼んできてあげるよ」
ともか「ありがとぉ…」
はるいち「ちゃんと渡せよ!」
ともか「うん!」
はるいち「さくーーー!!」
はるいち「きてーーー!!」
さくやくんがこちらにやってくると、隣にいる私に気付いたようで、さくやくんに用があるのは私だと悟ったようだ。
さくや「何の用ですか(笑)」
さくやくんが少し笑いながら問いかける。
他の人と接するときよりも柔らかい口調で、嬉しそうに見えた。
ともか「あ、あの、えっと、これ、その…」
ともか「い、いつもありがとう…」
私はさくやくんにチョコが入った紙袋を手渡した。
さくや「ありがとうございます(笑)」
さくやくんがすごく、すごく喜んでいたようにみえて嬉しかった。
ともか「ありがとう!ありがとう!」
私は意味のわからないことを言いながら、逃げるように自分のクラスに帰った。
移動している時にオーディエンスが大勢いたことに気づいた。
学年の過半数はこちらを見ていただろうか。
さくやくんと話しているときは見られてることに気づかなかった。
いや、誰もいなかったようにみえた。
あの時間だけは世界から音が消え、生物さえも息を潜め、さくやくんと私だけの世界だっただろう。
はるいち「…ねえ!ねえ!」
はるいち「お前!!!」
私は自分が呼ばれていることに気づいた。
ともか「えっなに?」
はるいち「さっきから話しかけてんのにずっと無視されてた」
ともか「そうだったの?」
はるいち「それよりさくが照れて耳まで赤くなってたぞ」
ともか「っええ!?」
私はその言葉を聞いて全身が赤くなったような気がする。
いや、自分でもなにを言ってるのかはわからないんだけど…
とにかく、今の私はさくやくんよりも赤くなっているだろう。
本当にあげてよかったな。
ともか「あげてよかったな…」
光「めっちゃお前らのことみてるやついたな」
ともか「光もみてたの?」
光「俺はみてねえよ」
光「俺はずっと教室にいた」
光「好きな人がチョコ渡す姿なんて辛すぎてみれねえよ!」
ともか「はは、それもそうか(笑)」
ともか「はい、これあげる」
私は大会で食べようと思っていた補食用のチョコバーを約束通り光にあげた。
光「やったあああああああああ!!」
ともか「うるさい」
ともか「言っておくけど、義理…いや義理でもないな…脅迫チョコだから。」
光「脅迫チョコでもなんでも貰えたからうれしいよ」
ともか「そーですか」
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続きを読みたい方が一人でもいるなら続きを書きます。