テラーノベル
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#見なくていいよ。
181
不完全でもいいけれど、不完全燃焼はしたくなかった。
あなたがすぐ側で笑っているのに、
今日も1人で寂しいと泣いてしまった。
ずっと側で支えてきてくれたのは
他でもないあなたなのに、
嫌いだなんて思ってしまった。
自分の笑い声も泣き方も喋り声も
本当は全部嫌いなんだ。
でも帰路を歩きふと聞いた曲で
全てを嫌ってもいいと肯定してくれた。
あなたが他の誰かと笑っているのを見ると
寂しくてたまらないのに。
あなたが寂しそうにしているとき、
側にいてあげられなかった。
自分の腹の底は誰にも見せないのに、
あなたが腹を割って話してくれないのを見ると
孤独を感じた。
また明日。
そう言って1人になると明日なんてなければ、と
思ってしまう。
本当はね。
あなたにそう言われるとどこか心が満たされた。
本当は嫌いな食べ物を「美味しい」と言って食べると
正しいことをしていると思った。
あなたが教えてくれたこと。
大切にしようと思ってもすぐに忘れてしまった。
明日は絶対に早く起きる。
そう決めたのに、今日が嫌になって起きれなかった。
自分で決めて、掻き分けてきた道なのに、
いざ目的地の近くにつくとやっぱり嫌だと振り返ってしまった。
大好きな人の大好きな曲がやけに胸に刺さらなくなった。
彼を嫌いになったんじゃない。
私が私を嫌いになったんだ。
ぬいぐるみを抱いて寝ると少しの間だけ心配が
軽くなった。
自分の部屋に入ると涙が止まらなくなった。
期待している。なんて言われたこともないのに
期待を裏切ってしまったと涙が止まらなかった。
信じていた言葉に「本当は?」と問いかけてしまった。
後悔ばかりで苦しくて逃げることが多くなった。
けれどあなたからは逃げようと思わなかった。
苦しくても悲しくてもいいから側にいたかった。
私を愛してくれなくてもいいから側に立っていて欲しかった。
きっと私は私を最愛と呼んでくれる人が欲しかったんじゃなくて
最愛と呼んで、縋れる人が欲しかった。
すべての言葉が過去形にならないように
ひたすらに笑って見せた。
そうすればきっと私に笑こけてくれるあなたが
側にいてくれるから。
コメント
1件
読ませていただきました。「本当は」という言葉が何度も出てくるのが、とても印象的でした。特に「私が私を嫌いになったんだ」という一文に、胸がぎゅっと締め付けられました。自分を嫌いながらも「あなたからは逃げようと思わなかった」という矛盾した感情が、すごくリアルで、苦しくて、でも美しい。最後の「最愛と呼んで、縋れる人が欲しかった」にも、はっとさせられました。続きが気になります。