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7月5日、夏の暑さがじわりと肌を焼く放課後。
神夜天音は、いつものように教室でノートに向かっていた。
扇風機の風がわずかに涼しく、けれど蒸し暑さは消えなかった。
その日、彼女の心はどこか落ち着かなかった。
午前中の授業中、教室の隅に不自然に立つ少女の姿を見たのだ。
しかし、視線を戻すとその子はいなかった。
「気のせいか…?」天音はそう思いながらも、心のどこかで不安を感じていた。
午後のホームルームが終わり、教室は静けさを取り戻した。
彼女は席を立ち、鞄を背負いながら校舎の廊下を歩く。
同じクラスの神来社秋冬、十六夜舞、高天原海里、宮野花乃、櫻井敦司も、一緒に帰るはずだった。
「なんだか、今日は変な感じだよな」秋冬がぽつりと言った。
「私も、さっき教室で変な影を見た気がするの」舞が小声で答えた。
その時だった。
突然、目の前の廊下の奥から、真っ白いワンピースを着た少女が現れた。
しかし、その顔は真っ赤な血で覆われていて、目は虚ろで何も見えていないようだった。
「ワタシのカラダ、探して…」
その声は囁くように、天音の耳に響いた。
次の瞬間、少女はふっと消えた。
驚きのあまり、天音は仲間たちの方を振り返った。
「さっきの見た?」
みんな顔を見合わせていた。
その時、校舎の時計が午前0時を打った。
次の瞬間、意識がぼんやりとして…気づくと、天音たちは学校の廊下の真ん中に立っていた。
外はもう真っ暗で、誰もいない。
「ここ…?」花乃が震え声で言った。
「なんでこんなところに…?」海里も戸惑っていた。
すると、不気味な音を立てて、廊下の奥から全身血に染まった少女が姿を現した。
「赤い人」だった。
彼女はゆっくりと6人に近づき、冷たい目で見つめた。
一瞬のうちに、次々と惨劇が始まった。
叫び声、悲鳴、そして静寂。
気づくと、天音は再び目を開けていた。
そこは…また同じ7月5日だった。
自分たちは何度も何度も同じ恐怖を繰り返している。
そして「赤い人」が自分たちのカラダを探していることに気づく。
明日を迎える唯一の方法は、バラバラになったカラダを見つけ出すこと。
6人はそれぞれの性格をぶつけ合いながらも、徐々に協力していく決意を固めた。
「終わらせよう、この悪夢を…」天音は強くつぶやいた。