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朝。あの不思議な夜はやっと終わった。
えとは心底、安心していた。
(誰も…傷ついてない…!自分の力を抑えられてる…の?)
しかし、実態はえともわからない。誰も分からないかも知れない。でも、その鍵を握るのは、たっつんかも知れないと分かっていた。
不安なのは、えとだけではない。食堂にいる誰もが「昨日の気配」を感じ取っていた。
じゃぱぱがパンをかじりながら言った。
「なーんか、夜中に誰か動いてたよな?俺、トイレ行ったら階段のところでえげつない気配感じたぞ。マジでゾッとした。」
ゆあんがすかさず反応する。
「それ、俺も!…なんか、空気がピリピリしてたよね…。」
たっつんが言う。
「俺は、闇の気配を感じ取った。この館に…魔王がいる。」
「いや!それは、厨二病だろ!」
少し、笑いが起こったが、すぐ消えた。
のあはスープを見つめながら、手を胸に当て、言った。
「怖かった…。誰かに見られてる気がして…。眠れなかった。本当に…早く家に戻りたい。」
ヒロはスプーンを指でなぞり、ぽつり。
「僕の部屋の前を、誰かが通った。…足音が…重かった。まるで、人間じゃないみたいに。」
もふは隣でうつむいたまま、小さく声に出す。
「夢で…赤い月を見た。狼が…誰かを見てた。…確か、俺の方を…。」
こたが言った。
「人狼ゲームだから、誰かが…嘘をついてるの…?誰も嘘ついてるなんて…思えない。」
えとは、心が痛んだ。
(みんなに、言うべき?でも…。)
嘘は、とても辛かった。