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前話の内容で、私が“偽造おぢ”に会わなければならなくなった理由が、もう分かっただろう。
そう、向こうも私に会いたいのだ。なぜなら、最初にDMを送ってきたのはあっちだからだ。
私は一度もDMを送っていない。むしろ、怪しまれると思って控えていた。
けれど、やり取りを重ねるうちに、ついに――会う約束をすることまでこぎつけた。
「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いている」
……って言うしな。
(使い方合ってる? まぁ、いっか)
待ち合わせ場所は、街中のごく普通の場所だった。
人混みでごった返す中、私は壁際に立ち、スマホを握りしめながら相手を探す。
――一体どんな人なんだろう?
普段なら、相手のアカウントの投稿内容から、容姿や性格の雰囲気くらいは掴める。
でも今回は違う。事情が事情だ。
いや、偽造が偽造だ!(意味不明)
投稿のすべてがAI生成。
そんな相手の見た目も性格も、想像のしようがない。
「もしかして……チョーイケメンだったりして?」
いやいや、たとえどんなにイケメンでも――
由美や界隈の女子たちを行方不明にした罪は重い。
どんなに心を揺さぶる相手が現れようと、
私は許さない。
……たぶん。
DMを送り合いながら、お互いを探す。
もちろん、向こうが伝えてくる服装の特徴は
ウソだろう。
だから私は、こちらの髪型や服装を丁寧に説明した。
そのときだった。
「……瑠衣ちゃん?」
背後から、自分の名前を呼ぶ声。
思わず振り向いた私の目に映ったのは――
⸻
続く。