お国戦記

なんやかんやで俺らは国内へ着いた

「……本当に……未だに信じられませんね、あの正義感の塊が世界を破壊だなんて」

「……そうだな」

今は空港にいるが、すぐに移動する

「さて、俺の家に向かうか」

「そうですね、分かりました」

俺の家へな、結構な距離があるがバスや電車を使えば結構すぐ着く

「……あ、あら……？」

長い帰路を走り終え家に着くと、中国が困惑しだした

「意外と……部屋が綺麗……？」

「はっ倒すぞ」

意外と部屋が綺麗って……こんくらい普通だろ……どんだけ酷い部屋だと思ってたんだこいつ……

「ま、まぁそうですよね……あ、あはは……」

「……」

「……で、何するんです？」

「あぁ…まぁまずは……俺に取り憑いてるのが何かって話だな」

「そうですね……」

「中国、俺は旧国について全然知らない……だから教えてくれ」

元々は誰にも取り憑かれてないと思っていたのだ。別に知らなくていいと思って誰にも聞いてないし調べてさえいない

「ふむ……まず旧国というのは元々この世に存在していた国のこと……これは知ってますよね？」

「勿論」

「それでその旧国ですが、現国……現在進行形で存在している国に取り憑く事があります。そして現国は取り憑いた旧国の力を借りる事ができます。旧国は存在していた頃の話に準え能力を持っています。」

「なるほど……｣

「旧国を呼び出す方法は……」

すると中国は俺の服の袖を巻き始めた

「やはりありましたね……召喚紋」

「召喚紋？」

「これですよ、これ」

中国は俺の腕の1部を指さす。その1部には雪の結晶の模様が描かれていた

「なんだ……これ……」

「これが召喚紋です。これがいつ発生するかは分かりません。私の見解ですと自身が旧国に取り憑かれていることを認識する事によって発生するものと思っております」

「……なるほど」

「そしてこの召喚紋のある方の腕の拳を握る……強く、強くね｣

「分かった……」

俺は言われるがまま、グッと腕に力を込め拳を握る。

｢ｯ……！？」

すると突然召喚紋が光り始め、辺り一帯が少し寒くなって、霧で前が見えなくなる

「……おはよ！あれ？夜なの？」

声が聞こえ、霧が晴れる。するとそこには知らない……いや、写真でなら見た事のある人物がいた

「お前……もしかして……じい……ちゃん……？」

「え？」

俺の目の前にはロシア帝国……つまり俺の祖父がいたんだ

「あ、ごめんね！勝手に取り憑いちゃって！！」

困惑が隠せず、声が出ない俺の隣で中国が話し出す

「なるほど……ロシアに取り憑いている旧国は貴方……ロシア帝国でしたか」

「あ、え？知ってるの？」

「そりゃあ……歴代帝国面積ランキング3位なんですから知ってますよ……」

そうだ。俺のじいちゃん凄いんだった……

「い、いやぁ……照れるなぁ……それでだけど……」

するとじいちゃんは俺の方を向く

「ロシア、どうして僕を呼び出したのかな？」

先程とはまるで違い、真剣な顔をしている

「……まぁ…色々あったから…ですかね」

「ふぅん？何か面倒事があった感じだな？」

「……はい」

「どれどれ、おじいちゃんに話してご覧？」

じいちゃんはまさかの空中浮遊をし、まるで足を組んで座っているかのような体制になる

「……えっとですね」

それから俺は、あのアメリカの話をした。段々話していくうちに、じいちゃんの顔が少しづつ青くなっている気がした。話終えるとじいちゃんは

「……それ、ヤバくない？」

と……そう言った

「えぇ、マジでやばいです」

「それを停めるって事？」

「はい」

「……」

するとじいちゃんは黙ってしまった。じいちゃんが次に話し始めたのは3分程経った頃だった

「……可愛い孫の為……ならばおじいちゃんは頑張らねばならぬのです……それに取り憑いたのは僕の方……やらなきゃね」

「手伝ってくれるんですか？」

「うん！おじいちゃん頑張るね！！」

先程とはまた違うテンションになったじいちゃん

「まぁもう遅いですし……今日は寝た方が良さそうですね、ロシア、布団あります？」

「あるけど……客用は1つしかない」

自分用1つと客用1つ……合計2つしか布団は無い

「あら……じゃあロシア帝国さんは1度戻ってもらって……」

「え？ロシアと同じ布団じゃないの？」

「へ？」

何を当たり前でしょみたいな顔でいってるんだこの人は……

「違うの？」

「あぁ、その手がありましたね、ロシア、別にいいでしょう？」

「は、はぁ……」

断ったとしても絶対に入ってくるパターンだしここは承諾した方がいいな……俺達は寝る準備を終わらせる

「よし！それじゃあおやすみ！！」

「おやすみなさい」

「おやすみ……」

そして照明を消して寝床へはいる。そのまま何も話さず寝るかと思いきや……

「ねぇねぇロシア？好きな子とかいるの？」

じいちゃんがうるさ過ぎて全然寝れなかった……