「……シア……ロシア……ロシア!!」
「ん……?」
「おはようロシア!!!」
朝、元気の良すぎる声で目が覚める。目の前にはじいちゃんがいる
「早く起きなきゃ駄目だよ?」
「ん……ごめんなさい……」
「あ、中国君が朝ごはん作ってたよ〜、僕は朝の読書してたけど」
「そうなんですか……すいません……」
重たい瞼を上げ、ボーッとしている頭を起こす
「顔洗っておいで、そっちの方が目覚めるよ」
「はい……」
未だフラフラしている足で洗面所へ向かう
「……」
ビチャビチャと水を顔面にぶっかけ、泡を手で泡立て、顔を擦る。目に泡が入らないようにしながら洗い終えると再度顔面に水をぶっかけてタオルで顔を拭う
「よし……!」
気合を入れ、部屋に戻る
「じいちゃん」
「ん、洗ってきた?」
「バッチリです」
そうじいちゃんに伝えると、じいちゃんは少し顔を顰める
「……ロシア?なんで敬語なの?」
「え?」
じいちゃんはぷくーっと頬を膨らませる
「孫と祖父なのに敬語とかヤダ」
「つまり…タメ口って事ですか…?」
「そう!」
タメ口なんて恐れ多いがまぁ気になるなら仕方がない
「…それじゃあ…今度からはタメ口って事で…」
「うん!」
ニコニコと微笑み、改めてよろしくと言わんばかりにじいちゃんは俺を抱きしめる
「じ、じいちゃん…?」
「ロシアってばちっちゃいね〜、ちゃんとご飯食べてる?」
「……」
俺は小さくはない、190は超えてる…つまりじいちゃんがデカ過ぎるだけなのだ
「……うん、食べてる」
じいちゃんは「ならいいや!」と言って俺の腕を引く
「あ、おはようございますお二人とも」
「おはよう」
リビングに行くと中国がちょうど机にご飯を置いているところだった
「あれあれ?4人分あるね?」
「……私に取り憑いている旧国の分です」
「なるほど!」
そういえば中国に取り憑いている旧国が誰なのか知らなかったな
「では……」
中国は左手を握り締める。
「ッ…!」
すると黄色に光り、青色の煙が出てくる
「……どうも、清さん」
「中国、あまり早い時間に呼び出すな、寝てただろう!?」
煙が消え、前が見えるようになると中国の隣に旧国がいた
「全く…」
「!」
するとその旧国を見てじいちゃんは目をキラキラさせる
「清じゃん!!!!久しぶりだね!!!!!!」
「ゲッ…露帝……」
「えっ…と……あの、お2人はどういう関係なんです…?」
中国がゆっくり手を挙げ質問する
「ん〜?えっとね…」
じいちゃんは顎に人差し指を当てる
「…僕とフランス姉様と独帝くんで清を脅迫したから…なんて言えばいいんだろ…」
「頼むから思い出させるな」
「まぁまぁいいじゃん!2人ともあのクソゴミカス島国に戦争で負けたんだし!」
満面の笑みだが目がほとんど笑っていないじいちゃん…どんだけ日露戦争の事引き摺ってるんだ…
「ま、まぁ、取り敢えず飯食おう…?」
俺が恐る恐るそう言ってみると皆ハッとしたかのような顔をする。
「……食べよっか」
みんな席に着き、食事を堪能した..流石中国の料理だなと思った
「美味しかったね!」
「ふん、中華が不味いわけがなかろうて」
「ほほーん?ロシア料理も美味しいですけど〜?」
「……2人とも」
食器を片付け席に着く
「今から作戦会議を始める」
作戦会議の為に
「まず目標としてはアメリカを倒すこと…ですよね?」
「嗚呼……」
「アメリカ……うッ…」
「おうおう、清どうした〜」
苦しそうにする清さんと清さんの背中をバシバシ叩く
「やめろ、痛い…少しアヘン戦争を思い出しただけだ」
その声のトーンから、どれほど思い出したくない事なのかが安易に想像できる
「……で、そのアメリカも旧国に取り憑かれている……その旧国がまだ誰かは分かりませんが…」
「……うーん……南部アメリカ……アメリカ連合国とかはないか?」
「有り得そうではあるけど、アメリカ連合国くんはアメリカ合衆国くんに手を差し伸べたりはしなさそうだよね〜」
淡々と議論が進んでいく
「……まぁ、その旧国の事はまだあとでも良かろう……」
「そうだよね清、僕もそう思うな、どちらかと言うと仲間を増やす事が最優先事項だと思う」
「確かに……」
「あぁ、それでしたら大丈夫ですよ」
中国がニヤリと笑ってスマホを取り出す
「ベラルーシさん、北朝鮮、モンゴルさん……シリアやベトナムにも連絡を入れてますので!」
「お〜!お手柄〜♪」
「……そこまで行く時間は無いぞ?」
「来て貰ってます!」
中国は得意げにそう話す
「なるほどな……」
「んじゃあ、空港に行ってアメリカ行ったら早いんじゃない?」
「そうじゃな」
「OK、飛行機確認する」
俺はスマホを取り出しアメリカ行きの飛行機を確認する。だが……
「無い……」
「え?」
「……あいつ……」
アメリカ行きの飛行機が全て無かった。恐らくアメリカが停めたのだろう
「ちょッ……それどうするんですか!」
「……」
俺は思考を巡らせて考える
「……それさ」
少しの時間沈黙をじいちゃんが破る
「フランスお姉様の所とかなら……無いかな?」
「……確認してみる」
スマホのキーボードを間違いのないように押す
「……ある!」
するときちんとあった
「よし!隣国とかならアメリカくん停めそうだけど、フランスお姉様の所なら停めないと思ったんだよね!」
「じゃあ、フランスまで行かねばな」
「そうですね……」
するとその時、ピーンポーンとインターホンが鳴った
「……出てくる」
俺は玄関へ行きドアを開ける
「ロシ兄!!大丈夫!?」
ドアの前には妹のベラルーシがいた
「は、早かったなベラルーシ……」
「だって心配だったんだもん!!!!!」
ベラルーシは重度のブラコンだ。小さな頃からよく抱き着かれていたりした
「ベラルーシさん!」
「中国先輩!お久しぶりです!!」
奥から中国が出てくる
「ベラルーシさんも来た事ですし、もう出発しましょうか、北朝鮮達にはヨーロッパで待ち合わせと言っておきます」
「そうだな……」
それから、俺達はヨーロッパへ向かった。
ジャリジャリとまるで砂利の上を歩いているかのような音が鳴る
「ん、これ美味しい!」
アメリカはお菓子を貪っている
「……アメリカ、それなんだ?」
「ん?砂糖がまぶしてあるマシュマロ」
次のマシュマロを手に取り、口に放り込む
「……可愛いな、犬の形だ」
「……フフ、それを犬に爆弾つけて特攻させてた奴が言うか?」
「……言うさ、実際今言ったろ?」
「そうだな!」
アメリカはニコニコしながらリモコンを取り出す
「……映画観る?」
「……観る」
アメリカが観る映画と言えばヒーローものだろう
「……お前とこういう事する日が来るなんて思わなかったよ」
アメリカは改まった様に下を向く
「……もう今は、親友でもライバルでもなく相棒なんだな……」
アメリカは立ち上がり、俺に抱き着いてくる。
「……改めて……よろしくな」
ニコッと笑い、アメリカは俺の名を呼ぶ
「……ソ連」
「嗚呼……」
こいつに取り憑いたからには、こいつの願いは叶えなければな
コメント
4件
な...ソ連は予想外だった......最高かよ
好き、、、!!自分じゃこういうのは書けない!
ヒエエエエェェェ…最高です ひっそりと続き待ちます()