駅に着いた瞬間、走った。
図書館の場所はわかった。
無愛想で、笑わない。言い方も少し冷たい。
でもどこか温かくて、優しい。
目が綺麗。月みたいに、綺麗な目。
萩原が好きだ。
「どこだよ、、、」
図書館を何周もしたが、どこにもおらず外に出た。連絡してもいいが、きっと無視されてしまう。
すると、コンビニの近くに探していた姿があった。
「萩原?」
「、、、なんで居んの」
「、、いや、最寄り、、由依が知ってたから教えてもらった」
「図書館居るんじゃないのかよ」
「授業配信受けてるから、家」
「、、、そうなんだ」
「萩原、学校来てほしい」
「、、、俺が来ないと困ることでもあんの?」
「あるよ」
「授業?」
「、、確かに数学は萩原がいないと困るよ、当てられても全然わかんないし聞ける人いないし。だから萩原が来てくれたら助かる。でもそれは萩原だからで、萩原に頼りたいんだ」
「萩原が居ないと私が嫌なんだよ」
なかなかのことを言ってしまい、しまった、と少し思った。
「、、ただのクラスメートによくそんなこと言えんな」
「友達だと思ってたけど、私は」
「友達?」
「一緒に文化祭の店番やったのも、勉強したのも、カフェ行ったのも、一緒に帰ったのも、全部楽しかったよ。こんなん友達とすることでしょ全部」
「友達には、学校来てほしいよ」
萩原は何も言わなかった。でも、この言葉は届いていると信じた。
「寒い中ごめん、じゃあ、帰るわ」
「待ってるから」
そう言って駅の方へ向かった。
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