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!Attention!
・😈🥞がちょっとひどい(嘘です結構やばいです)
・夏といえばホラーということでホラーTaste__
・恐怖のかくれんぼ
お久しぶりです!!!!!!!(土下座)
悪魔の囁き
(そろそろ待ち合わせの時間か…)
ポケットからスマホを取り出し、曲を再生する。あそこで練習するのももうすっかり当たり前になった。
(こんなところに鏡なんてあったのか…?)
カフェに向かう途中にある細道に姿見がある。無意識に鏡に触る。だから、伸びてくる手に気づいた時にはもう遅かった。
「っ…!?」
鏡の向こうに見知った姿があった。
「彰人!?」
(白いハイネックに黒いスーツ…?そんな服あったのか…?)
そう考えていると、手首にひんやりとした感覚が広がった。まるで誰かに手首を握られているような。まるで人の体温ではないような。
「…ぇ…」
「やぁっと見つけた」
「…っ離せ!!」
「まあまあそう怒んなってw」
胸を叩かれ後ろに倒れる。
「…っぐッ……何を……っ!?」
目の前には鏡の向こうにいたはずの顔がいた。俺の腹の上に座っている。逃げられない。
「オレを見つけてくれてサンキューな。これでお前と遊べる…」
ひんやりとしたあの手がパーカーの下に入ってくる。恐怖で顔が歪む。
「い、や……やめてくれ…」
「いいなァ、その顔すげぇそそる」
けどそれだけじゃ面白くねぇな、と呟き立ち上がる。あの手が離れたことに安堵しかない。
「30秒だ。その間に隠れろ。30秒経ったら見つけに行く。よーいスタート」
「は…?」
(いや、でも曲を止めれば…)
そう思ってポケットの中を探すがそこにあったはずのスマホがない。
「あーそうだ、現実世界に逃げようとか思ってんだろうけど…お前のスマホはここにあるからな」
「なッ…!?返せ…!!」
「嫌だねー。つーか、そろそろ隠れた方がいいんじゃねぇの?もう10秒は経ってるだろ」
「スタートとは言ってないだろう!」
「お前が聞いてねぇだけだろ?ww オレはもうすでにスタートって言ってんだよ。ほぉら、早く隠れねぇの?そんなにオレと遊びてぇ?」
「っ……!」
(一番遠いところに隠れなければ…!一刻も早く…!)
あれは彰人じゃない、彰人の姿をしたただの悪魔だ。こんな最悪はかくれんぼはもう最初で最後だろう。
(!…あそこの階段の裏なら!)
最初はカフェに行こうと思ったが、ここからは遠く、向かってる途中に見つかってしまう。
「はっ、はあっ、はぁ…」
心臓の音がうるさい。
(というかあれはなんなんだ…?想いの欠片の1つなのか…?)
わからない。色々な疲れで冷静に考えられない。
「あきと…」
相棒の名を呼ぶ。
(お願いだから誰か来てくれ…)
「冬弥」
「彰人…?彰人なのか…?」
「おう」
「…好きな食べ物はなんだ」
「どうたんだよ急に…。パンケーキとチーズケーキだけど…」
「…苦手なものは」
「犬…ホントにお前どうしたんだよ」
「いや…さっき彰人に似た人がいたんだ」
「へぇ?どんなやつ?」
「白いハイネックに黒いスーツを着てて…怖かったんだ…」
「そうか…もうオレが来たから大丈夫だぞ。ほら、MEIKOさんのところ行こうぜ。オレと似たやつもいねぇから」
「ふふ、そうだな」
そうだ、ここでずっと立ち止まってる訳にはいかない。彰人がきたならもう大丈夫だ。
「彰人、早くい……こ……………」
そこにいたのは、あの黒い彰人だった。
「よぉ、さっきぶりだなぁ」
頭が真っ白になった。
なんで、今彰人が…いたはず……あれ?今、話していたのは…?なん、なんで…あきと…?
「どうよ、今話してたやつがあの彰人じゃなくてオレだったっていうマジックは」
なにもきこえない。たすけて。
「じゃあ…遊ぼうか、とーや♡」
手首強くを捕まれ、苦痛に顔が歪む。
もう、逃げられない…。
ピコン
「ん?あぁこいつのスマホか…」
手が離れた、逃げるなら今しかない。
(けど…逃げたところで…)
「ふーん……“彰人”から、ねぇ」
「! ……っ、!!」
「あ!おい!!!」
本物の彰人からの連絡だと思った瞬間、足が動き出した。このままMEIKOさんのカフェに行けば、助けを求められるかもしれない。
「おい、待てっつってんだろ」
「っ!?」
(一瞬で目の前に…!?)
「お、まえはなんなんだ…!どうして俺にこだわるんだ!元のセカイに帰ってくれ!」
「オレの連れが無情すぎて別のやつと遊びたくなっただけ。お前アイツと似てるし初々しくて可愛いから苛めたくなったんだよ。」
「は、…?」
「んで試しに腹触ってみたらイイ反応するし…どうせ見つかるのに必死に逃げてる姿が可愛いかったんだよ♡」
心の底から狂っていると思った。その言葉だけでも怒りは沸いたが…。
「彰人の姿でそんなこと言うな…!」
「おいおいw ここがどこだか忘れたのか?ここはセカイ。お前らの想いでできたもの。オレもその想いの一部…。ここまでいったらお前の頭でわかるだろ?ww」
そうだ、ここはセカイ。こいつも想いの一部でできていて…彰人の姿をしているということは…
「彰人の想いの一部……?」
「大正解。100点満点だ。そんなお前にご褒美やるよ」
「い、いらない…!!」
「ぶっ飛ぶぐらいよくしてやる」
「いやだ…!」
(こんなの…ご褒美ではない…!!)
抵抗しているうちにも彰人は近づいてくる。
「無駄な足掻きはやめるんだな。大人しくしてろ」
またさっきのように服の間に手を入れてきた。
「ひッ……やだ……、やめて…」
「!!!!!」
(…夢……?)
時計は朝6時を指していたが、もう一度寝る気にはなれなかった。
「ということがあったんだ」
どうしてももやもやが晴れず、朝見た夢をメンバーに伝えることにした。
「うわ怖……」
「オレじゃねぇしこっち見んな」
「それは確かに夢でよかったね…」
「ああ、本当に安心した」
メンバーに伝えたおかげか、少し気持ちが軽くなったような気がした。
「よし、それじゃあそんな夢を忘れるために歌お!」
「そうだね!少し気持ちが楽になるかも」
「…ありがとう」
(本当に感謝しかないな…)
「よしそれじゃあ出発~!」
みんなと歌うとなるとずっともやもやなんて、していられない。それにしても、夢は記憶を整理する場所だと言われているが、俺にそのような記憶があったなんて知らなかった。
ふと、彰人が来ていないことに気がつく。
「彰人?」
「あ?あぁ……なぁ、お前それ本当に夢だったのか?」
「?そうだが…」
「 じゃあ…
その手首の跡はなんだ…? 」