第7話「深淵の欠片を覗いて」
Kr視点
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「くれぐれも迷惑をかけないように頼むよ。」
🐼
「は、はいっ!」
それだけを言い残してマネージャーは無慈悲にも扉を閉める。
その瞬間、俺達は大きく息を吐き出した。
🦈
「おーい意味わかんねぇって…」
📕
「マジそれな〜信じらんないよぉ…」
👓
「同感…もう今から無理だ。」
🐼
「もう緊張で吐きそう((」
愚痴愚痴と文句を垂れる俺達。
実は今日、かのBlack-Xと俺達の顔合わせ日なのだ!しかしあのマネージャー、それをあろう事か前日に伝えてきて….
普通に有り得ない!!前々からこの日は空けておいてね、とは言っていたけど、まさかBlack-Xと会話必須な用事だなんて誰も思わないだろ!!!急に最推しに会えますって言われたようなもんだぞ!!??
🦈
「きりやんぶっ倒れんなよ。」
👓
「いや無理だろ…」
📕
「Nakamuは同じオタクなのに倒れないの?」
🐼
「こんな限界オタクとただのファンを一緒にすんな。」
シンプル失礼で傷つく….泣
というのは置いといて、今日は以前も話したコラボステージの為の顔合わせで、今後はグループ同士の予定が合えば積極的に合同練習を入れていく予定らしい。と言いつつ同じ事務所ではあるから合わせようと思えば個人間でも合わせられると思うけど。俺にはハードル高くて無理だけど((
アイドル同士のコラボステージが珍しくないとは言え、トップアイドルグループの隣に立つのならそれ相応の実力を魅せなきゃいけないって事なんだろう。普通ならただの駆け出しアイドルグループにここまで手厚く準備してくれることは無い。
頑張らなきゃ、と気合いを入れ直す。
そんな中、乾いたノック音が会議室に響いた。
🐼
「あ、はい!どうぞ!」
Nakamuの言葉に俺達は慌てて立ち上がる。
彼らの凄さはともかく、事務所の先輩に粗相はできない。
🎤
「失礼します。 」
ガチャりと音を立てて扉が開かれる。
その瞬間、耳に届いた爽やかな声は俺達を引き込んだ。
🎤
「Black-Xです。今日はよろしくお願いします。」ニコッ
🐼
「え、あ、はい!よろしくお願いします!」
😊
「とりあえず中に入って1度座りましょう。White Tailsのみなさんも落ち着かないでしょうし。」
📕
「そ、そうですね….」
きんときの後ろからふわりと音もなく現れたスマイル。実際に彼を前にしたNakamuが固まってしまう程、少し離れたところにいるBroooockが言葉を詰まらせそうになる程、そのオーラは凄まじかった。
😊
「改めましてBlack-Xのスマイルです。」
🎤
「同じくBlack-Xのきんときです。」
簡単にBlack-Xの方々から自己紹介をして貰った後、俺達もその後に続いて自己紹介をしていく、俺達が彼らを知っているのは勿論の事だが、やはり同じ事務所の先輩だからか彼らも俺達を認知していたようで、するすると話は進んでいく。
🎤
「曲はWhite Tailsの方に合わせる感じで行きましょうか、その方がそちら側も楽でしょうし。」
😊
「衣装はいつも通り、配置は後々相性を見た上で都度修正、歌詞割りはそちらが6割でこちらが4割程度、合同練習の開始時刻は午後14時前後に集まれる人だけでも参加….よろしかったですか? 」
🐼
「はい!問題ないです!」
🎤
「じゃあ今日はこれくらいですかね、お疲れ様。 」
😊
「ん、明日からまたよろしく。」
👓
「はいっ!よろしくお願いします!」
大まかなスケジュールも調整し、そのまま顔合わせはお開きとなる。先輩であるBlack-Xの方々が会議室を出ていかれる背中を見送って、俺達は再度自分達で確認しようと再び椅子に腰を下ろした。
👓
「って、あれ…?」
俺が近くにあった席を適当に引っ張り出して座ると、カランッと乾いた音がした。床に目を向ければ、そこに落ちていたのは中身がぎりぎり確認できない透明度 の小瓶。
勿論俺に心当たりは無いし、メンバーの誰かが使っていた、というか持っていた記憶もない。
🦈
「どうしたきりやん。」
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「あや、小瓶この席に落ちてたんだけど誰のか なって…」
🦈
「その席スマイルさんかきんときさんじゃないか?座ってたの。」
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「…まじか、持ってたってことは必要だったのか?」
🦈
「こんな小さいと気づいてないだろうし持ってってやれよ。」
👓
「んぁー、そうするわ。」
俺は小瓶をポッケに入れて会議室を出る。ついさっき出たばかりだからまだそんな離れたところにはいないはず。
そんなことを考えていると、誰かの荒い声がはっきりと聞こえた。
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「なんでお前が指揮とってんだよ!リーダー面してんじゃねぇ!!」
😊
「痛っ…!」
🎤
「ちょっ、やめろよ!別にそんな責めるようなことないだろ!実際リーダーだし!」
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「俺は認めねぇよ!!実力もない媚び売ってのし上がってきたお前が澄ました顔でいるのが気に入らねぇ!」
🎤
「おい!言い過ぎだよ!!それにスマイルは──!」
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「うるせぇ!!兎に角、さっさと辞めろよ、元からお前にアイドルなんて向いてねぇんだから。」
会議室を出てすぐの自販機の前、そこにスマイルは蹲って、きんとき以内のメンバーはそんな彼を嘲笑うようにして立っていた。
遠くてはっきりと表情まで見ることはできないけど、悲痛そうにゆがめられているのだけは分かる。
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「なんでスマイルが…」
ショックで言葉が出ない。
なんで、なんで!!彼はトップアイドルで、誰もが認める存在なのに!!!
なのに、なぜ彼の仲間はそれを認めていない….?
腸が煮えくり返るような怒りを覚える。俺のスマイルは世界一のアイドルで、他の追随を許さない圧倒的な輝きを魅せているのに…!
声を大にして言いたかった。でも、きっとそんな反応を彼は求めていない。俺は仲間でも友達でもないから励ましに行けない。
👓
「くそっ…!!」
俺は込み上げる悔しさを抑えながら、その場から離れた。
中身の察しがついてしまった小瓶については、明日の合同練習で聞こうと心に決めながら。
To be continued.
コメント
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想像以上に仲間がクズすぎて怒りが・・・・・・(( krさんはやくたすけてあげてほしすぎます、、、、 無理しない程度に投稿がんばってください、!! 首を洗って待っておきます(???)
どなたかソイツら抑えてもらえます?髪の毛燃やすんで((
こんなこととを言うのもあれですが、推しが傷つけられてるのなんかいですね、…(>ᾥ<) そして、これからどう展開が進んでいくのかとても楽しみです🤭💭💕