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「オレ、お前のことだいっきらい」
4月1日の午前11時ぐらいに突然、そうキルアが
そう言った。
生意気で、
からかい好きで、
そしてオレの初めての友達のキルア。
そんなキルアが、突然口を開いてあんなことを言ったのだ。
……え?オレは一瞬、頭が真っ白になった。
確かにキルアはいつもオレをからかってくるは来るけど、こんなストレートに「嫌い」と言ってきたのは初めてだ。
本気……なのか?胸がざわつく。
キルアの視線が、からかうようにオレを
捉えたまま離れない。
「…本気で言ってるの?」
オレは小さく聞いた。
キルアは肩をすくめて、ますますニヤニヤを
深くする。
「あー本気本気。お前みたいなヤツが一番キライなんだよねオレ」
その言葉が、胸にナイフのように
突き刺さった。
オレはバカ素直に信じてしまった。『冗談』だって本当は分かっているのに。
キルアが本当にオレの……ことが…嫌いって思ってるかもって…。
「……そっか」
オレは少し声を落として、キルアに近づいた。
「じゃあ、確かめさせて」
「は?」
キルアのニヤニヤが一瞬、固まった。オレは
そのキルアの顔を両手で軽く包むようにして、
そのまま、そっと唇を重ねた。柔らかくて、 少し驚いたようなキルアの息が、唇の近くで止まる。
ほんの一瞬だけ。そっと離れると、キルアの顔がいちごみたいに真っ赤になっていた。
いつもの生意気な笑みが完全に消えて、
目が泳いでる。
「 ……お、おい、ゴン!?」
オレは真剣な顔のまま、キルアを見つめた。
「『嫌い』って言われたら、
本気で嫌われてるかどうか、確かめたくなるよ
……どう? 嫌いだった?」
キルアは耳まで赤くして、
珍しく言葉に詰まってる。
「ち、違う……!お前、ほんっと素直すぎ!ただのエイプリルフールのジョークなのに……!」
オレは少し微笑んで、キルアをデコピンした。
「ジョークなら、最初から『嫌い』なんて言うなよ。……びっくりした」
キルアは照れ隠しみたいに頭を掻きながら、
でもどこか嬉しそうな目で俺を見返してきた。
「……バーカ。お前が本気でキスしてくるなんて思わなかった」
「確かめただけ」
オレがそう言うとキルアは小さく笑って、
今度は自分から俺の肩を軽く突いた。
「もう一回、確かめたいんだったら……今度はオレがする番な」
夕陽が部屋に差し込む中、キルアの生意気な笑みが、少しだけ優しくなった気がした。
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