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前々からだが、亜季さんは僕が話そうとする事を先回りして話してくる時がある。
もしかしたら僕の心が読めるのかもしれない…。
そんな事あるわけないか…。
でも、この広い世の中に人の心を読める能力を持った人間がいたとしても、別に不思議ではないのかもしれない。
亜季さんがそんな能力を持っているとは思えないけど、人のほんの少しの表情や仕草や話し方で相手の感情や言いたい事を繊細に感じ取ってしまっているのかもしれない。
それに例え亜季さんが、人の心を読める能力を持っていたとしても僕は構わない。
でも…1つだけ困る事がある。
それは、亜季さんを“好き”になってしまったという僕の想いが知られてしまう事…。
「・・・・・」
亜季さんは顔を赤くして、うつむいていた。
「どうかされました?」
「いぇ、そんな事言われたの初めてだったから嬉しくて…」
僕は何も言ってないけど、僕の表情や仕草で何かを察したのだろうか?
それから、駅に着くと駅構内にあるマックに寄る事にした。
僕はチーズバーガーのセットを注文し、亜季さんは何故かハッピーセットを注文した。
どうやらセットについてくるオマケが欲しかったらしい。
今ついてくるオマケはディズニー映画に出てくるモンスターインクのフィギュアだった。
席に着くと、亜季さんはオマケの袋を開け始めた。
「その映画のキャラクター好きなんですか?」
「えぇ、まぁ…‥」
亜季さんの反応を見ると、さほど好きではなさそうだった。
「気に入らなかったんですか?」
それとも好きなキャラクターが当たらなかったとか…。
「そういう問題じゃなくて、今ここでオマケをもらっておかないと未来が変わってしまうから」
「未来? 見えるんですか?」
「はい」
「アハハハハ…‥」
亜季さんの冗談に、つい笑ってしまった。
亜季さんもそんな僕を見て笑っていた。
「そう言えば葵さんの事なんですけど、何かあったんですか? 慌てて教室を飛び出して行きましたけど…」
「人助けです。葵ちゃんは困っている人がいれば、いつでもどこにでも行っちゃうから」
「人助け?」
「葵ちゃんの使命なんです。本人が言ってました」
「使命って何をしてるんですか?」
「葵ちゃんに聞いてみるといいですよ。そうすれば葵ちゃんの事、もっとわかると思います」
「はぁ…今度聞いてみます」