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あまね🍡💠
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能力犯罪総合対策本部の隊員たちが廃工場へ突入する。
「クリア!」
「こちら異常なし!」
建物の中を次々と捜索していく。
御堂鷹臣は湊たちの前へ歩み寄った。
「君たち。」
「通報してくれてありがとう。」
湊は頭を下げる。
「いえ……。」
御堂は穏やかに微笑んだ。
「君たちのおかげで居場所は特定できた。」
「だが。」
「次からは必ず大人を頼ってくれ。」
「相手は能力犯罪者だ。」
「命を落としていたかもしれない。」
湊、小春、神童の三人は静かに頷いた。
「はい。」
-–
廃工場の捜索が始まる。
隊員の一人が報告する。
「生活していた形跡があります!」
食器。
毛布。
非常食。
簡易ベッド。
誰かが生活していたことは明らかだった。
しかし、人影は一つもない。
篠宮玲司が周囲を見回す。
「撤退したばかりですね。」
御堂は床へ視線を落とした。
「いや……。」
「これは。」
「わざと残している。」
篠宮が振り返る。
「挑発ですか。」
御堂は静かに頷く。
「私たちへのメッセージだ。」
「『追えるものなら追ってみろ』ということだ。」
-–
その頃――。
新たなアジト。
グラビティがヴォイアントへ報告していた。
「旧アジトからは全員撤退しました。」
ヴォイアントは静かに頷く。
「痕跡は。」
「予定通り残しました。」
グラビティは少しだけ疑問を口にする。
「本当に良かったのですか。」
「今まで完璧に痕跡を消していたのに。」
ヴォイアントは窓の外を見つめた。
「彼らには知る権利がある。」
「そして。」
「ここからが本当の始まりだ。」
-–
別室。
ブレイブが少女へ温かい飲み物を差し出す。
「熱いから気を付けて。」
少女は小さく頷いた。
「ありがとう。」
少しだけ沈黙が流れる。
少女が口を開く。
「優斗お兄ちゃん。」
ブレイブは照れくさそうに笑った。
「どうした?」
少女は少し不安そうに尋ねる。
「また……会えるよね?」
ブレイブは少しだけ表情を曇らせた。
それでも優しく微笑む。
「うん。」
「きっと。」
少女は安心したように笑った。
その笑顔を見つめるブレイブの胸は、静かに痛んでいた。
-–
廃工場。
小春は外で待っていた野良猫を見つける。
「ありがとう。」
「教えてくれて。」
猫は申し訳なさそうに耳を伏せた。
「助けられなくて、ごめんニャ。」
小春は優しく抱き上げる。
「そんなことないよ。」
「あなたが教えてくれたから。」
「警察も来られたんだよ。」
猫は安心したように喉を鳴らした。
-–
その頃。
御堂は机の下へ落ちていた一枚の古びた写真を拾い上げた。
そこには若き日の蓬莱良樹と数人の男女が写っていた。
御堂は写真を見つめる。
「蓬莱良樹……。」
「やはり、お前だったか。」
写真を裏返す。
そこには、
『ZERO結成記念』
と書かれていた。
他のメンバーの名前は雨で滲み、ほとんど読めない。
篠宮が写真を覗き込む。
「ZERO……?」
「ご存じなんですか?」
御堂は静かに頷いた。
「能力社会黎明期に存在した組織だ。」
「能力に反対していた思想集団……。」
「解散したと聞いていたが。」
御堂は再び写真へ視線を落とす。
「まさか、エデンと繋がっていたとはな……。」
-–
その夜。
朝霧家。
夕食の時間。
食卓には湊、母、父・朝霧義一が並んでいた。
どこか重い空気が流れる。
義一が笑顔で口を開く。
「今日は学校どうだった?」
湊は少し黙り込む。
そして決心したように顔を上げた。
「母さん。」
母は優しく微笑む。
「どうしたの?」
湊はゆっくりと口を開く。
「ヴォイアントって人を……。」
「知ってる?」
その瞬間。
母の表情が凍り付いた。
手に持っていたコップが滑り落ちる。
ガシャン!!
義一が驚いて立ち上がる。
「どうした!」
母は震える声で湊を見つめた。
「……今。」
「何て言ったの?」
湊はその様子を見て確信した。
母は、ヴォイアントを知っている。
そして母の脳裏には、かつて能力社会に反対し、共に未来を語り合った一人の男――
蓬莱良樹。
若き日の姿が鮮明によみがえっていた。
第54話へ続く
コメント
1件
あー、これめっちゃ気になる展開だわ…! ヴォイアント側がわざと痕跡残してきたってのがまず不気味すぎるし、「知る権利がある」って言葉も重い。ブレイブと少女の会話、胸が詰まるな…「また会えるよね」って問いに「きっと」しか返せないの、ほんと辛い。そして最後の湊の母親の反応 ── あのコップ落とすシーン、鳥肌立った。ヴォイアントのこと知ってるって確信した瞬間、めっちゃ熱かった! 続き気になりすぎる🔥