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「ガチャ」
「ただいま〜」
帰ってきたか。
現在、朝の7時47分。思ったより早かったな。
やばい、今になって緊張してきた、、
お、落ち着け僕!大丈夫だ、安心しろ。
「お、おかえり」
「あれ?起きてたんだ。」
「うん、ちょっと早く起きちゃって、、」
全くの嘘だ。いつ帰ってくるか分からなくて一睡も出来てない。
「そうだったの?じゃあ朝ごはんは?食べた?」
あれ?てっきり朝帰りだったことの理由を話すもんだと思っていたが、話さないのか?
「え、えっと、ま だだよ。瑞季は?」
そう聞くと、瑞季の顔が輝いた。
「俺もまだ。じゃあ久々に一緒に食べるかか」
「え、あ、うん、、!」
そっか、そういえば久しぶりか、、
僕と瑞季は生活リズムが合わない。
僕らは2人とも同じ22歳。
でも違うところがある。それは通う大学の距離だ。
瑞季が通っている大学は徒歩15分程度。
でも僕の通っている大学は電車を乗り継ぐこと2回。約3時間かかる。
僕は夜に帰ってくる事が多い。そして朝早くに家を出てしまうんだ。
それに加えて、瑞季は友達と遊ぶ事が多い。そのせいで瑞季も帰りが遅いことがある。
今思えば、最初から僕らの結末は決まっていたのかもしれない。
カップルで、
『生活リズムが合わない+住む世界が違う』
なんて別れる以外の選択肢ないだろ。
瑞季が浮気するのも仕方ないのかもな。
だって最後に僕と”そういう営み”をしたのなんて半年以上前の話だ。
瑞季だって男だし、溜まるもんは溜まるだろう。
あ、でも言っておくが、僕は浮気してないぞ?した事以前に、考えた事すらももない。
何故かって?だって僕は1人で何とかしていたから。まぁ寂しい事には寂しかったし、悲しかった。
でも「仕方ないこと」だと自分に言い聞かせて、誤魔化していたんだ。
瑞季はこれに耐えられなかったのかな、、。
いや、違うな。
瑞季は元々僕とは遊びだったんだな。
だって、好きとか愛してるとか言われたことないし、、、
デートだって、、1、2回しかしてない、、
考えてみれば、僕は瑞季にとって、セフレだったんだな。
まず、浮気ですらなかったのか。向こうが本命の彼女か。
お似合いだな、、、やべっ、泣きそ
「さっきから黙ってるけど、どうかした?」
「あ、えっと、ちょっと考え事、、」
「、、ふーん、てか、どいてくれる?キッチン行けないんだけど?」
「あっ、、ご、ごめん、、気をつけるね」
「、、、はぁ、、」
「っ!」
ため息っ、、 やっぱり傷つくな、、
「よし、オムライスでいいよね?」
「え、作ってくれるの、、?」
「え?うん、何?悪い?」
「え、いや、てっきり僕が作るもんかと思ってて。」
「、、あんたが作ったもんなんて食べられない、、」
「え、、、」
そ、そんなふうに思ってたんだ、、
「そ、そうだったんだ、、ごめんね、、」
「うん、、」
その後、瑞季が作ってくれたオムライスは緊張からか、全く味がしなく、瑞季に言われた言葉が何度も頭をよぎり、あまり食べられなかった。
「ガタ」
瑞季食べ終わると立ち上がった。
「あ、もう大学いくの?」
「うん、行く」
「、、分かった」
「そういえば、碧、大学は? 」
「ドキッ」
久しぶりに名前呼ばれた、、
「今日は休みなんだ」
嘘だ、本当は瑞季の言い訳を聞くために、、聞けなかったが、、仮病を使って休んだんだ。
「、、そ、じゃあもう行くから」
「あ、うん、行ってらっしゃい、、」
本当はもうちょっと一緒にいたかった、なんて、口が裂けても言えなかった。
瑞季を送ってから、僕は洗い物をして、また席に着いた。
「作戦失敗、か、」
「あ〜、幸先悪いな〜、、」
「、、、、はぁ〜、、」
瑞季と会って、話す事が出来て嬉しかった反面、瑞季に言われた言葉が僕の心に刺さって中々痛みが消えない。
「、、よし!こんな事考えてないで、作戦どんどん実行してこ!!」
証拠集め、、は今出来ないから、相手探しか、、
でもマッチングアプリは勇気出ないな、、
どうしよ、、
、、、、
「そうだ!友達!!」
信頼出来る友達に頼めばいいじゃん!
そうなってくると、本当に信頼出来る人がいいよな、、そうなってくると、、
「アイツに頼むか〜、、」
プルルル プルルル プー プー ピッ
『はいはい、もっしー』
「いや、JKかよ」
『wwナイスツッコミ〜w』
「だろ?、、じゃなくて!」
「今回はお前に頼みたい事があんだよ!」
『頼み事〜?』
「うん、、引き受けてくれるか、、?」
『内容によるけど、、碧依がそんなふうに話すって事は、あの彼氏のことか?』
「、、、」
『図星だな』
「、、全部大正解だよ、」
『で?どうしたんだ?』
「、実はさ、、」
僕は全てを里月に話した。
里月は最初から最後まで、黙って真剣に聞いてくれた。
『、、なるほどな〜』
「、、、うん、、」
『付き合ったって報告を受けた時から薄々感ずいていたが、まさかガチでやるとはな、、』
「、、、うん、、、」
『、、本当は面倒事に頭突っ込みたくないが、、大切な親友からのお願いだ!協力してやんよ!』
「、、!ほんとか!?ありがと!」
『おう!成功するかは分かんねぇけど、やって見るだけやってみよう!』
「うん!」
『もし実行途中に彼氏と一緒に居たくなかったり、途中で計画がバレて失敗したりしたら、いつでもうち来いよ!』
「え、、うんっ!」
『今まで良く耐えたな!これからは俺を頼れ!』
「、、うん、、グスッ」
『え?泣いてる?写真送って!』
「グスッバカっ!送るわけねぇだろw!グスッ」
『冗談冗談w』
『とりあえず泣き止んだらうち来い。じゃ、一旦切るぞ!』
「うん、分かった」
「、、、」
『、、、』
「いや、切れよw」
『www』
「、、里月、サンキューな、、」
『、、!、、お礼は計画が終わってから言えっての!』
「ガチャ」
「お邪魔しまーす」
「いらっしゃいま〜し〜」
「なんじゃそりゃw」
「ww」
「で?俺は何すりゃいいの?」
「里月には俺の彼氏として瑞季の前に登場して欲しい」
「ほうほう、そんだけ?」
「いや、あとこれは出来たらでいいんだけど、」
「?」
「瑞季の浮気証拠集めを手伝って欲しい」
「うわっ!ムズそー」
「里月には夜の街に出かけて、見かけたら写真を撮ってくれればいいんだ」
「分かった!証拠集めは分かんねぇけど、演技の方は任せとけ!元演劇部なめんなよ!」
「あれ?お前演劇部だったっけ?」
「んいや、中高どっちもサッカー」
「演劇部じゃあねぇじゃねぇかww」
「www」
里月に話をしてから数週間がたったある日の夜。
「ピッ 」
「もしもし、里月?どうかしたのk」
『お前の彼氏と女がホテルに入ってく所の写真を撮った!』
「はぁ?!まじかよ!」
『お前今どこ?』
「駅の改札」
『じゃあそのままうち来い!話し合うぞ!』
「分かった!」
「プツッ」
、、、はぁ〜、、
別に物凄いショックを受けた訳では無い。
まだ少しだけ、瑞季の事をを信じていた自分がいたんだ。
とりあえず今は里月の家に向かおう。
〜続く〜
〜おまけ〜
〈里月目線〉
碧依から夜の街のパトロールを頼まれた俺は、夜の街をぶらぶら歩いていた。
(頼まれたはいいものの、そう簡単に見つかるかね〜、、)
「ねぇ〜今回は何回ヤる〜?」
うえ、気色悪ぃ。
聞いてるだけで吐き気がする。
「、、さぁな、」
お?彼氏の方はドライか?
てかなんか聞いた事ある声な気が、、
あれ、、この声ってもしや、、、?
「もうっ♡瑞季ったらツンデレなんだから♡」
「でもそんな所も好き♡」
ビンゴっ!!碧依の彼氏だ!
しかもホテル入ってくじゃねぇか!
決定的浮気の瞬間だな。ラッキー!
はぁ、これでようやく、、、、、、、、
〜おしまい〜