テラーノベル
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正源は最初から抱いていた疑問を思い切って口にした。
「それで、なぜここの町役場が私どもに供養の依頼を?」
作業監督の男は、右掌を小さく横に振りながら答えた。
「いえ、実は供養を依頼したのは私らなんです。産業廃棄物として解体していいって許可は、県庁からももらってあるんですがね、こうも人間そっくりだと、そのまま破断処理機に放り込むのは、あまりにも気味が悪いんですよ。で、周りにいるこの連中が金出し合って、ロボット供養で有名な東京のあのお坊さんに頼めねえかって、まあ、そういう話なわけなんですよ」
正源は少し離れた所で固まって二人のやり取りをじっと見守っている作業員たちに視線を向けた。
「あの方たちが、ですか?」
作業監督は少し表情を和らげて答えた。
「今の若い連中は気にしないのかもしれねえですが、見ての通り、うちは一番年下の作業員でも五十はとうに超えてる奴ばっかりですから。いかがでしょうかね、お坊様? こういう、いかがわしい物の供養をお願いするってのは、やはり無理でしょうか?」
それまで奇妙な笑いを顔に浮かべていた浄源が突然口を開いてその問いに答えた。
「いえ、お引き受けしますとも。そのためにここまで来たのですから。正源、出来るな?」
正源は唖然として浄源に問いかけた。
「しかし……お山のお師匠様方からは、沙汰があるまでロボットの供養は控えろと言われて……」
正源に最後まで言わせず、浄源は思いがけない事を言った。
「これは総本山も承知の話だ。と言うより、お山のお師匠様方がわしを通して、お前に取り次いだ依頼だ」
「えっ?」
正源は何が何だか分からなくなり、絶句した。浄源は少し真剣な目つきになって正源に言った。
「これはお前の得意分野だろう? だからお前が導師を務めろ。わしが助手を務める」
正源は周りの作業員たちの顔を見つめた。皆、悲しそうな眼をしていた。どこか思い詰めたような顔をしていた。正源は作業監督の男の方に向き直り、きっぱりと言った。
「分かりました。そういう事でしたら今から供養を執り行います。私の言うように準備をしていただけますか?」
コメント
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第25話、読み終わりました。産業♡♡♡として扱うには忍びない、という作業員さんたちの気持ちにぐっときました。あの「人間そっくりだから」という言葉に、彼らの誠実さや哀れみが滲んでいて……。そして、浄源さんが突然「お前が導師を務めろ」と正源さんに託す場面、背中を押すような信頼が感じられて、じんわりしました。正源さんの迷いから決意への切り替えも、とても自然で良かったです。次が気になります。