テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
215
204
莉犬視点
最期の最期で思い出した。
あの日、俺は何が許せなかったのか。
「お前、援交してるんだろ(笑)?」
何を言っているんだ、と思った。
7月に入ってすぐの放課後、俺は帰宅途中に隣の席のヤツに付きまとわれていた。
「あーあ、学校に報告したらどーなるのか。
想像できないわけないよなぁ、優等生の莉犬さん?」
なぜコイツがいつも俺に執着してくるのかわからない。
勝手に目の敵にされて、根も葉もないこと言われる身にもなってほしい。
「何を言っているの?俺はそんなことしてないよ。」
無視しようと思ったけど、あまりにもしつこかったからあしらおうとした。
するとあいつはスマホの画面をこちらに向けてきた。
「ねぇ、これ見てもそんなこと言えるの(笑)?」
画面を見る。
そこには俺と金髪で高身長な男性…ぷりちゃんと隣り合って繁華街を歩いている写真があった。
写真の中の俺は制服で、ぷりちゃんは私服だったこと、俺たちの身長差、場所も相まってそういう関係だと思ったのだろう。
実際には同い年だし、そういう関係では断じてない。
そんなことを知る余地もなく、言葉をつなげる。
「意外だなぁ、お前、男もいけるんだ(笑)
そんなに金がないなら俺がだしてやろうか?」
「、、、。」
別にくだらない。
「ふふ、馬鹿だなぁ、こんなガキに金を吸われていいように扱われて。」
「で、お前が飽きたらポイ、なんだろ?かわいそうだなぁ(笑)」
踵を返し、帰ろうとした。
「あ、逃げんのか?お相手がどうなっても知らないぞー。」
、、、は?
なんでぷりちゃんが出てくるの、そこで。
「ふざけんな!ぷりちゃんは関係ないだろ!!」
アイツに詰め寄り、胸ぐらをつかむ。
「おー怖。本気だったんだー。」
コイツはどこまでも俺の神経を逆なでし、地雷をピンポイントで踏み抜いてくる。
「っ、ぷりちゃんになんかしてみろ!お前、、、」
キレた俺が詰めると、予想外の言葉が出てきた。
「じゃあさ、俺とヤる?その写真のヤツより金出すよ?」
もう限界だった。
衝動に身を任せて、アイツを階段から突き落とした。
――あのね、ぷりちゃん。俺、気付いちゃったんだ。
ぷりちゃんが俺を助けようとしていたこと。
ごめんね。俺はもう疲れちゃったんだ。
ロクなことがなかった人生だったけど。
ぷりちゃんといた時間が俺の生きがいで、唯一の楽しみだったんだ。
ありがとう。
さようなら。
また、いつか会えますように。
あと1話、エピローグを含めると本編は2話ほどあります。
そのあとハピエン分岐でも作ろうと思っています。
なにせ個人的にハッピーエンドのほうが好きなので。
どうか最後までお付き合いください。
ご指摘やアドバイスがあれば下さるとうれしいです。
コメント
1件
ああ…もう、胸がぎゅっとなりました。莉犬くんの過去がここにきて明かされるなんて。あの日、ぷりちゃんを守ろうとしてああなってしまったんですね。彼がずっと一人で抱えてたんだなと思うと切なくて。特に「ぷりちゃん、気付いちゃったんだ」のあたり、声に出して読んでしまいました。ラストの手紙の言葉、一つひとつが刺さります。でもまだ続きがあるんですよね。ハピエン分岐の予告も嬉しい。最後までしっかり見届けます🍀 siuさんの描く莉犬くんの繊細な内面、本当に好きです。