テラーノベル
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事が終わった後。
疲れ果てたnoliは、俺の腕の中ですやすやと眠っている。
部屋には独特な匂いが漂い、熱されていた空気は冷めはじめていた。
満たされたようなnoliの寝息と、愛しい体温を全身で受け止める。
幸せな空間の中、自分だけが激しい後ろめたさを感じてしまっていた。
今朝、自分の家に捨てられていた赤ん坊を死にかけさせたこと。
警察官に厳しく取り調べられたこと。
noliに知られてしまったら、幻滅されてしまうだろう。
素直で純粋な人の相手が、犯罪に手を染めている俺で本当にいいのだろうか。
関わらない方がnoliにとって幸せなんじゃないか。
でも、どうしても離れたくない。
そんな自分の我儘さを自覚しながら、noliを抱きしめる力を強めた。
俺のnoliのはず。
さっきの声も、表情も、体も。
俺だけのモノ。
そんな根拠のない戯言を信じ込んで、無理やり自分を眠りに落とした。
窓から朝の光が差し込む。
ぼやっとした視界で隣を見ると、まだnoliは俺の腕の中で眠りこけていた。
noliの額に軽く唇を落とした後、朝支度を済ませる為に、洗面所へ向かう。
洗顔や歯磨きを終えた後。
ゆっくりと寝室を開けてみると、noliが目を開けたまま寝転んでいた。
「…起きたか、おはよう」
「ん……おはよ、」
noliの寝起きで掠れた声が、耳に心地良く届く。
「seven………」
眠そうな目でこちらを見つめながら、両腕をこちらに伸ばしてくる。
その意図を読み取り、少し微笑みながら無言で近寄って、noliの上にもたれかかると、noliの細い両腕が俺の背中に回された。
「えへへぇ…」
下にいるnoliは満足げに笑っている。
温かい体温が全身に感じられ、安心感がどっと襲う。
「ん……、顔洗ってくるね」
しばらく密着した後、noliは自分から離れて、ゆっくりと洗面所に向かっていった。
奥から水音が聞こえる朝の静寂で、少しずつ現実に引き戻されていく。
泊まる予定ではなかったので、替えの服なんて持ってきていなかった。
だから、どちらにしろ帰らなければならない。
こんなハッカーの俺が本能のままに抱いてしまった事への罪悪感もある。
そんな朝の訪れに浸りながらベッドに寝転んでいると、目をさっぱりと覚ましたnoliが部屋に戻ってきた。
「…腰、痛めちゃった」
困ったような笑みを浮かべながら、こちらを見つめている。
顔を洗っている時に昨夜の事を思い出してしまったのかもしれない。
「あぁ、えっと、…すまん」
申し訳なさとその場の気まずさに圧倒され、つい目を逸らしてしまう。
「大丈夫。ちょっとだけ、横になるね……」
noliはそのままふらふらと歩み、ベッドにぽすんと体重を預けた。
「ほんと悪かった、何か……その…俺にできる事とか、あれば……」
嫌われたくない一心で、自分のプライドを投げ捨て謝罪をする。
人間関係が薄過ぎる俺にとって唯一喋れるのがnoliだった。
過酷な現実を生き抜いていく為の、唯一の精神安定剤のような、絶対に失ってはいけない、大切な人。
「じゃあ………、あと1日だけ、一緒に居てほしい」
そんな人からの無茶振りなんて、応える以外あり得なかった。
「…わかったが、着替えを取りに帰らないといけないんだ。いいか?」
noliは顔をぱあっと明るくして頷く。
「うん、もちろん!」
その眩しい笑顔に心から癒され、こちらまでつい微笑んでしまう。
「ありがとな、noli。また後で」
「うん、また後で!」
そのまま玄関のドアの鍵を閉め、一泊分の着替えを取りに、自分の家に戻った。
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コメント
1件
ああ~、もうこの朝の空気感がたまらなかったです……! sevenの罪悪感と独占欲がぐるぐる混ざり合う胸の内、すごく伝わってきました。「俺だけのモノ」って思いながらも自分を責める感じ、切ないけど人間らしくて惹かれます。noliの「腰、痛めちゃった」の困った笑顔と、それに対するsevenの気まずそうな謝罪がもうリアルすぎて……。最後の「あと1日だけ、一緒にいてほしい」のお願い、すごく自然で、二人の距離がぐっと縮まった感じがしてじーんとしました🤍