テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
御幸「んな緊張すんなって笑」
すっかり固くなって床で正座をしている沢村に、今日の練習のスコアを確認しながら声をかける。
御幸「明日も早いんだから寝るぞ。」
消灯時間はとっくにすぎていた。沢村はすぐに眠りについた。意外とどんな環境でも寝れるらしい。
沢村「御幸せんぱぁ、、スピスピ(寝言)」
御幸にはその声が届いていた。
御幸「夢でも俺かよ、、笑」
口では呆れたように言うが、口角が見たこともないくらい上がっていたことはまだ誰も知らない。
ピリリリリッ!!!
けたたましい目覚ましの音とともに、寮全体が騒がしくなる。いつもと違う、寮での早朝。御幸は沢村の様子を伺った。
沢村「スピスピ……」
まだぐっすりだ。こんな騒音の中寝ていられることに感心したが、そんなことより起こさないと朝練が始まる。
御幸「さわむらぁ〜」
沢村「んんーっ、、かーちゃん、、、」
御幸「ぶっ笑誰がかーちゃんだよ!!」
全く起きない沢村の鼻を御幸は親指と人差し指でつまんだ。
沢村「ふがっ!?」
御幸「ふははっ笑ぶっさいく笑笑笑」
沢村「御幸、、せんぱ、」
沢村はまだ意識がぼーっとしているようだ。
御幸「ん、おはよ。早く準備しろよ、朝練始まるからな。」
御幸は沢村の枕元で眩しい笑顔を輝かせている。
沢村「は、い、、」
憧れの先輩と一緒に迎える朝。今日から始まる練習。期待に胸をふくらませながら準備をはじめる。
結城「整列!!!!!」
キャプテンの号令とともに朝練が開始した。ランニング、キャッチボール、バッティング。次々とメニューをこなしていく部員たち。
降谷「……ふぁ」
沢村と同じ推薦で入学してきた降谷暁。まだまだ眠そうな顔をしながら必死に練習を見学する。
小湊春市「兄貴、、!」
こちらも同様、推薦ではないが兄貴の背中をおって入部した小湊春市。練習に取り組む兄貴の姿を見るのは初めてだった。
片岡監督「1年生は集合しろ。今日はブルペンで実力を確かめたあとお前たちの指導係を紹介する。」
いつもと変わらない圧だ。ブルペンにはもうキャッチャー陣が揃っていた。3人は慌てて道具を準備し、ブルペンへ急ぐ。
片岡監督「降谷から順に投げてみろ。3球ずつだ。」
降谷「……」
降谷は力の抜けた姿勢でカゴの中を漁る。ボールをひとつ取りミット越しの御幸を睨む。
御幸「思いっきり投げてこい!!」
ジャリッ
降谷は1度フォームを確認し、本番の構えをとる。
御幸「(さぁ、、こいつはどんな球を投げr)」
誰もいないかのようにグラウンドが静寂に包まれる。御幸は目を見開いたまま固まっている。他の2年や3年も同じように固まっている。小湊や沢村も口を開けて突っ立っていた。
降谷「はぁ、、、、」
緊張が溶けたようにゆっくりと息を吐く。
片岡監督「御幸、、」
御幸「はい、監督。間違いなくこいつは」
「エースになれる素質があります。」
沢村は息を呑んだ。エースと聞いた瞬間、わずかに動揺する。
片岡監督「次、小湊」
小湊春市「は、はい!!」
周りがざわつく。降谷のせいだろうか、小湊春市は投げにくそうにしている。
御幸「兄貴見てんぞ!!ドンと来い!!!」
小湊春市「は、はいっ!!」
御幸に声をかけられカゴを漁り球を1球取り出した。その後もあとを続いて沢村が投げる。
片岡監督「だいたい見させてもらった。今からお前たちの指導者を割り振る。」
沢村は自分が御幸先輩にずっと見て貰えると思っていた。しかしそう甘くは無い。
片岡監督「降谷は御幸についてもらえ。」
沢村「え、、俺は、、?」
片岡監督「小湊は兄貴に教えてもらうといい。」
小湊春市「は、はいっ!!!」
沢村「あ、あの俺は、、」
片岡監督「、、お前はこいつについてもらえ。」
監督の後ろに立つ死んだ目をした男。一応野球部の部活着を着ているが、それ以前に気迫のないいかにも三軍だ。
??「よろしく、、。」
沢村「だ、誰っすか、、? 」
クリス「俺の名前はクリスだ。基礎から徹底的に叩き込んでいく。よろしく頼む。」
沢村「なっ、、なんでっ!!俺は御幸先輩とっ!!!」
御幸「コラコラ、、」
御幸はまた怒られたいのかという顔をしていた。
片岡監督「なんだ?なにか文句があるなら言ってみろ。」
いつもより強い圧に圧倒され沢村は思わず後ずさりした。
沢村「い、いえ、、なんでもありません。。」
片岡監督「、、、各自練習に戻れ!!」
その日の練習が終わり御幸は沢村に声をかける。
御幸「さーわむらっ!どーだったよ!今日の練習!」
沢村「どうもこうもないですよ!!!おれは御幸先輩と野球をするためにこの部活に入ったのに!!!」
御幸「ははっ笑まーだそんなこと言ってんのかよ笑」
御幸はバカにするように笑った。しかし、御幸は心のどこかで嬉しさを感じていた。
降谷「御幸先輩の、、どこをそんなに好きなの?あの人めちゃくちゃふざけてるし、、いつもニヤけてて怖いんだけど、、」
to be continued……