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りりむside
「おい､葛葉ぁ〜おるんか？」
「倒れてるんじゃない？」
「それもそうか〜」
いいむならまだバレずに済むけど､まぁ､葛葉はバレるか……｡てか､あ､いいむ羽出したまま外飛んでた⁉︎どうしよう⁉︎
「椎名ぁ､いいむ､羽出して飛んで移動してんだけど」
「そういえばそうやな〜､三枝はなんも思ってなかったやろうし､問題はかなかなやな」
「なんとかなることを祈るしかないかぁ……」
「なんとかなるんやったら､葛葉も言ってええんちゃう？」
確かに！いいむの実例を出せば､倒れるなんてこともなくなるだろうし､天才じゃん！
「天才じゃん！早く葛葉に血を飲ませなきゃ」
「もう飲ませたから､もうちょいで起きるやろ〜」
やること早いなぁ､じゃぁ､どうしよ？掃除とか､葛葉しなさそうだけど綺麗だし｡体調がずっと悪かったにしてはめっちゃ綺麗だし｡食料系も切らしてないし｡
「やることなくない？葛葉の割に家とかめっちゃ綺麗だし」
「かなかなにやってもろたんちゃう？あ､でもその場合は食料がおかしいわ｡これ､2人分はあるで」
「にぃやんの分ってこと？」
「1人やないんやったら､よくかなかなが遊びに来てるぐらいしかないやろ｡それにしても､おかしいと思うけどな〜､冷蔵庫とかかなかなは開けんやろ､勝手には」
もし､にぃやんと一緒に住んでるとかなら血液パックは入れれないと思うけど､にぃやんと一緒に住む意味……｡分かんない｡
「椎名は､にぃやんと一緒に住む理由ってあると思う？」
「遅刻ぐらいやろ〜w｡でも､確かに一緒に住んでたら飲めんし､冷蔵庫におけんな」
「一緒に住むときに切り出してない葛葉が悪くない？」
「それもそやけど､いつからや？」
葛葉side
「うぁ”……」
「あ､やっと葛葉起きたぁ」
「お前寝過ぎやろwww」
目の前に､りりむと椎名｡どういう状況だ？確かに､りりむは同じ魔族だし､椎名には吸血鬼であることがバレているが｡
「剣持に葛葉が体調悪そうなのと､ずっと血を飲んでいないと思うって聞いて来たんや！」
「見事に倒れてたね､葛葉！どのぐらい摂取してなかったら､倒れたの？」
どのぐらい……って､ここ2年は飲んでないけどな｡叶と同棲し始めたのは､1年前だからなんとも｡
「2年は飲んでねぇよ」
「は⁉︎逆に2年も飲んでなくて生きてんのが凄いじゃん！流石､純血の高位魔族」
「いや､葛葉の生力がおかしいだけだよ｡いいむだって半年も生気吸ってなかったらやばいもん｡特に､純血になるにつれて､必要量が増えるんだよ？」
「……､早く帰れ｡あと､叶どこにいるか知ってるか？」
サキュバスは､1ヶ月も生気を吸ってなかったら死ぬぞ？お前も十分おかしい｡それより､叶はどこのいるんだ？起きたらいなくなっているし……｡
「三枝といたぞ？」
「あ､てか､にぃやんには話しなよ！」
「無理だ」
「無理やのうてな？せなあかんから｡また､血を飲まずにぶっ倒れたいんか？」
これ､2人には説明しねぇとダメか｡絶対に引きさがんねぇだろうし｡
「まずなぁ､叶とは同棲してんだよ｡恋人同士なわけ」
「なおさら､言えや」
「言ったら､叶自身を犠牲にする未来しか見えてねぇわ」
「あ､それはあるかも｡でもさ､にぃやんと付き合ってるんだったら言った方が良くない？血不足で死にかけて意識がない状態､絶対に話とか聞いてないって誤解されるよ？」
ん､それ､か？朝､会話の途中だったしな……｡絶対にそれじゃん､三枝師匠のところに叶が行ったの｡めぅめぅ言ってそうだな｡
「相変わらず､まどろっこしいこと考えてんなぁ？お前は､腹を割って話し合えや！まずは､そこからやろ⁉︎」
「簡単なことじゃねぇんだが？」
「今から､かなかな呼び出せばええやん｡あとは､剣持も呼び出すか？説明係用に」
「その方が良いよ！にぃやんと話し合うのが遅くなればなるほど､事態は悪化するよ！」
「てかさ､自分の体調管理ぐらい自分でして､うまいことウチらを使って血を飲め！特に､剣持と遊ぶとかならなんとかなるやろ！」
「いいむはいいけどさぁ､にぃやんにも迷惑かかるんで？」
「分かったから､明日にしろ！今､深夜な」
「あ､剣持に怒られるか｡よし､ウチらは帰るけん明日､○×カフェなぁ｡どこに集合するかはかなかなにも言っとくから来いよ〜？」
「分かった､っつってんだろ」
叶になんて言われんのか､不安で休めるわけねぇ〜な｡
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