テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠︎
__
この小説はirxsさんのnmmn作品です。
他サイトに投稿したものです。
ご本人様とは全く関係ございません。
拡散はご遠慮ください。
意味が分からない方、地雷の方はブラウザバックよろしくお願いします。
エセ関西弁です。
この小説は=/L/O/V/Eさんの劇/薬/中/毒MVパロです。
まだ肌寒い季節。
ため息を吐きながら角を曲がる。
こちとら先日失恋して傷心中だと言うのに、今日から新任務が始まった。
新しい環境に慣れるというのは何度経験しても難しいことだ。1歩間違えるとすぐ疑われてしまう。
はあ、しばらく有給でもとって休むべきだった。
なんて、後悔してももう遅いが。
「ここか。」
目の前には薬品の研究所。
至って普通の見た目をしているが、違法薬物を作っているらしい。
俺は今日からここに潜入する。
ターゲット達から情報を集めてから突入し、施設ごと壊滅させるつもりだ。
「おはようございます。」
「あぁ、おはよう猫宮さん。今日からよろしくね。」
扉を開ければ先日面接を担当していた、そしてターゲットの乾ないこがこちらを向いた。
彼は製薬のリーダーのようなものらしい。
今は事務関連のことをしていたようで、パソコンに触れている。
「さて、猫宮さんにはりうらと一緒に薬品の整理をしてもらうね。」
乾は俺の手を引っ張り、施設の奥に進んでいく。
彼の手は細くて骨張っていた。
「こちらは大神りうら。」
「猫宮さん…だっけ?よろしくね。」
そう言って手を差し伸べてきたのは大神りうら。
資料によると彼はまだ成人して間もなく、ここに入社したのも割と最近のことらしい。
まだ若いのに、犯罪に関わるなんて勿体ない。なんて思うが。若いからこそなんだろう。
握り返した彼の手は乾と同じく、骨張っていた。
「多少りうらの方が先輩だけど、同期のようなものだから。仲良くしてやってね。」
「あ…はい。」
乾にそう言われたものの、歳も離れているし仲良くなれるのだろうか。なんて考えていた時だった。
「あ、新人さん?」
「やった、よろしくね!」
頭の中に入っている名簿を思い返す。
彼らは稲荷ほとけ、有栖初兎。約1年半前からこの施設で務めている。
「こら、急に話しかけたらびっくりするやろ?ごめんなあ…」
今喋った長髪は獅子尾悠佑。彼は乾と同時期くらいから働いている古株だ。
「あ、いえ…」
ま、急に話しかけられてびっくりしたのは事実だが。
割とフレンドリーなんだな。これも薬によるハイな状態なのだろうか。
「ならよかった。これからよろしくな?」
「はい。」
そう俺に声をかけた獅子尾や他2人は仕事に戻っていった。
「さ、猫宮さん、整理の仕方を教えるね!」
大神が仕事内容の説明をしてくれた。
俺たちはまだ入ったばかりだから、薬の製造までは手伝えないため、まずは薬の貯蔵などに関わるそうだ。
まだまだ改良を繰り返しているようで、試作品ごとに分けて置いたりするらしい。
「これはそこね!」
「はい。」
大神の指示に従い、薬瓶を棚に詰める。
なんだ、意外と簡単な作業だ。
今まで様々な会社に潜入したけれど、もっと難しい内容を覚えなくてはいけないところもあった。
ここなら簡単に馴染めそうだ。
「ふう、お疲れ様!今日はここまでだよ。」
「お疲れ様でした。では、お先に失礼します。」
そう声をかければ、5人はにこにこと手を振った。
ここに潜入して1ヶ月が経った。
ターゲット達とは名前で呼び合い、タメ口を使うほどには仲良くなれた。
謎のあだ名なんか付けられたりもして。
潜入ではあるが、なんだかんだ楽しい日々を送っていた。
「おはようございます…?」
いつも通り出勤したけれど、なんだか騒がしい。
奥の研究室に進むと、声の主がわかった。
「嫌、嫌っ!」
「いむくん、大丈夫やから」
ほとけが耳をふさいで泣いていて、それを初兎がなだめている。
そこにあにきが製造している薬を持ってきた。
いつも明るい彼らを見てきていたから衝撃を受けた。
「いむは昔いじめられていたんだって。」
突然後ろから話しかけられ、驚いて振り返るとそこにはないこがいた。
「いむだけじゃないよ、ここで働いてる人はみんな、何かしら嫌な記憶を持ってる。だから、薬がないといけないの。」
「それは…ないこも?」
そう尋ねるとないこは悲しそうに微笑んで、うなずいた。
それから2週間ほど経った時。
その日はないこの姿が見えなかった。
これはチャンスかもしれないと思い、4人にはトイレに行くと告げ部屋を出た。
こっそり銃を持ち、ないこを探す。
「ここにもおらん…」
どこを探してもないこは見つからなかった。
いや、まだ一つ見ていない部屋がある。
「…ここか。」
黒く光る銃を構え、扉を開ける。
「…え。」
そこにいたないこは、思っていた様子とは違った。
何かの機械に座っていて、頭にはヘルメットのような何かが被らされている。
そこには沢山のコードが繋がっていた。
思わず頭を傾げる。これは、なんの機械だ。
キョロキョロと周りを見渡すと、何個か液晶があった。
そこには幸せそうに笑うないこが写っている。
出会ってからこんな純粋な笑顔、見たことがない。
そもそも、この写っている場所を俺は知らない。
だとしたらこれは、ないこの記憶?
もしかして薬の主成分は…
そこまで考えて、力無く銃を下げた。
それからたくさん考えた。
この施設を壊すのは、彼らの幸せを壊すことではないか。それは本当に正義なのだろうか?
いや、そもそも違法行為をしているのは彼らだ。なら俺がすべきなのは壊滅だろう?
そんな考えがぐるぐると頭の中を回る。
こんなにターゲットに同情してしまうのは初めてだ。
だって、その気持ちがわかってしまう。
俺にも忘れたい記憶がある。
今でも思い出して、苦しくて泣いてしまうような、そんな記憶が。
俺は彼が大好きだった。叶わないなんてわかっていても、気持ちを告げてしまった。
あの時の彼の顔は、今まで見たことがないほど歪んで見えた。
そんなことを考えていても、決行の日は来てしまう。
そう、今日である。
俺は捜査官だ。研究員ではない。元々、彼らの敵なんだ。
「猫宮さん、行きますよ」
「…ああ。」
後輩にそう声をかけられ、いつも出勤していた施設に突入した。
すでに施設の中は散乱していた。
所々に炎が上がり、薬瓶や研究器具は床に落ちて割れていた。
4人は応戦していたようだが、今は床に倒れていた。
ぐったりとしながらも、薬を飲んでいる。
心が痛むが、見ないようにして奥に進んだ。
残るはないこだ。
「いたぞ!」
突入部隊の声が聞こえる方向へ走る。
ここは…
「まろ…?」
ないこと目が合った。いつも冷静なないこにしては珍しく動揺しているように見える。
彼はあの機械の前に立ちはだかり、必死に守っていた。
…俺には、この人を撃てない。
「っ…!」
覚悟を決め、周りの部隊を撃つ。
これで俺は捜査官ではいられない。
でも、それよりも、彼らが大切になってしまっていた。
「まろ…?どうして…」
そう尋ねるないこにゆっくり近づく。
「ごめん…騙して…」
倒れているのに薬を飲み込む彼らを思い出す。
俺は彼らに再度絶望を味わわせてしまったんだ。
そして、目の前のないこにも。
「まろも、苦しい思いしてたよね。」
そう言ってないこは近くの瓶を取った。
「俺も、もう忘れたいや。」
そう言って彼は2つの青いカプセルを取り出す。
1つは俺の手に握らせた。
そしてもう1つは俺の口元に運ぶ。
俺もないこの口元にカプセルを運んだ。
そして、なんの躊躇いもなく飲み込んだ。
#ファンタジー