手前が死なない世界

俺は何度もループを繰り返した

ループするにつれて、あることに気が付いた

それは……俺と太宰は15歳からしか出会うことが出来ない、俺達が最初に出会った年齢、時期からしか出会うことは無かった

そして、太宰は必ず最初に死んだ年齢、22歳で死ぬ、同じ日付、同じ時間に……

死に方は様々だ、入水自殺だったり、首吊りだったり、大体が太宰本人による自殺だ、自殺の理由も様々だった、親からの虐待に耐えられなかったりだとか、イジメだったり、自分に生きる価値を見いだせなかったり本当に様々だ……

他の死に方なら、病死、他殺、事故死この3つが主だ

出会う場面も様々、俺達が俳優で偶然同じドラマに出ることになって出会ったとか、家出して、偶然行った先で出会ったとか……

本当に色々な出会い方をして予測不可能な死に方をする……

俺は太宰の死際に出くわしたことは一度もない……

太宰の死体になら何度も会ったがな……

正直、俺はもう諦め掛けていた……

何度救おうとしても、俺の願いは虚しく散って行く

それに……彼奴の後を追って何度も死ぬ、俺への負担も相当なものだった

だから俺は…彼奴を救うじゃなく……

彼奴が、太宰が死なない世界に行くことにする……

「手前が死に続ける限り……俺も追い続ける」

俺は次の世界へと……眠りについた

ループ××回目……失敗