次はレジスタンスキャンプでの補給中の出来事です
たしか僕と2Bが_______
2B「9S補給は終わった?」
9S「はい!今終わったところです」
ミーンミンミンミンミンミンミーーン
9S「蝉が鳴いてますね2B」
2B「せみ?」
9S「2Bは知らないんですか?」
2B「知らない」
9S「蝉っていうのは昆虫で羽の筋肉を震わせて音を出しているんです」
9S「あ!ちなみに人類は夏といったら蝉!っていうくらい蝉は夏の風物詩だったそうですよ!」
2B「そうなんだ…」
9S「でもデータにしかない情報なので本当かどうかは分かりませんけどね…」
僕はデータを2Bに共有する
すると2Bは何かを考えたのか僕を見て言った
2B「蝉…見にいく?」
9S「え?」
2B「データ採取のために…」
9S「いいんですいか!?」
2B「まぁ…少しくらいは」
その後少し支度をした後に僕と2Bは蝉を探しに行った
9S「鳴いてはいるんですけどね…どこにいるのやら………」
2B「蝉は木に引っ付いているってデータではあるけど…」
9S「あまりにも木が多すぎますよね」
ポッド153「人類が月面へ逃げ延びた後地上の植物の急成長、および肥大化が確認されている」
9S「じゃあ…蝉も巨大になってたりして」
2Bをチラッとみながら言うと2Bは呆れたように言う
2B「そういうこといわない」
9S「はーい…」
その後しばらく歩き探してみたが見つからなかった
水辺の岩陰に腰を下ろして僕は言う
9S「それにしても…本当に暑い……」
僕の独り言が聞こえていたのか2Bも同意してくれた
2B「身体の熱がうまく逃せない」
9S「うーん…」
僕はホログラムの画面を出し検索機能を使う
2B「なにをしているの?」
9S「人類はどうやって体を冷やしていたのかなって思って…」
2B「…」
9S「ほら…僕たちアンドロイドだって人類を模倣して作られているなら同じようなことができるかもしれませんし!」
2B「そう…」
9S「もしそうだったら…」
2B「9S…感情を持つことは禁止されている」
9S「…2Bは真面目だなぁ」
2B「……」
2B(私は…君を……)
9S「どうしたんですか2B?」
2B「いや…なんでもない」
僕は一つ気になる項目を見つけた
9S「あっ!」
2B「どうしたの?」
9S「これとかちょうどいいんじゃないんですか!?」
僕はその検索結果を見せた
2B「これは…?」
9S「かき氷です!」
2B「かき…ごおり?」
その後僕は2Bを連れてレジスタンスキャンプに戻るとすぐにかき氷を作ってみた
かき氷にシロップをかけて2Bに渡す
9S「食べてみてください2B!」
2B「私たちアンドロイドは食事を必要としない」
9S「それは…そうですけど……」
9S「うまくいけば義体の温度調節機能が効くようになるかもしれないんです!」
2B「……」
ポッド042「推奨…機体9Sは2Bにかき氷を食べてもらうことを期待している」
2B「…」
少しかき氷を見つめた後に2Bはスプーンでかき氷を器用にすくって口に運ぶ
僕は2Bを見つめて反応を待つ
2B「……」
2Bが震えている
9S「…あの……もしかして………美味しくない…ですか…?」
2Bは僕を見てボソッと言った
2B「美味しい…」
9S「え…?なんていいました?」
2B「いや…なんでもない」
そう言うとすぐに2Bはスプーンを口に運ぶ
また口に運ぶ
次々に運んでいき気がついた時にはかき氷がなくなっていた
2B「終わってしまった…」
9S「あわわわわ……次!次作ってきますね!!」
僕は慌ててかき氷を作りに行き作ってきたかき氷を2Bに渡した
2B「ありがとう…9S」
9S「いえいえ!2Bが喜んでくれるなら…」
9S「僕…本当に嬉しいんです!!」
2Bが一瞬笑った気がする…
2B「感情をもつことは……禁止されている」
9S「2Bーー!」
2Bは次々とかき氷を食べていく
9S「…」
2B パクパクパクパクパクパク…
9S「……」
2B パクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパク…
9S「………」
2B パクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパクパク
2B「うっ……」
突然2Bが頭を抱えて苦しみ出した
9S「どうしましたか2B!?」
2B「9…S……敵がハッキングを仕掛けてきている…みたい……」
9S「……」
僕は思った
そんなに一気に食べるから頭が痛くなっているのでは…と
記録にも一定時間内に過度な摂取は頭痛を引き起こすと載っていた
9S「…多分…食べ過ぎ……ですね」
2B「え…?」
9S「一応確認します…」
僕は2Bのデータを一通り確認したがウイルス汚染やハッキングの形跡はない
9S「……」
2B「あ…治った……」
9S「一気に食べたから…多分頭痛を引き起こしたんだと思います」
9S「言い忘れてましたけど記録にもそう…載っていました……」
2B「…そう……」
ポッド042「…」
ポッド153「……9Sのミス」
9S「えぇっ!?」
ポッド042「同意」
9S「ポッド!?」
2B「…9S……」
9S「え…えぇ!?2Bまで!?!」
2B「いや…私は違う」
9S「え?」
2B「ただ……ありがとう…」
9S「なにがですか?」
2B「気を使ってかき氷用意してくれて…ありがとう……」
僕は嬉しさで胸がいっぱいになった
そしてこの時の記録を今でも見返すくらいには大切にしている
2Bは……本当にずるいです…
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