(学パロ)
side.Kt
「ねぇまぜち!!プリクラ撮りに行こ!!」
「いきなりどうした…?」
「まぜちとの形の残る思い出が欲しいの!!」
休み時間にまぜちの机に凸ってお強請りする。まぜちとの思い出を形に残したいのに嘘は無い。でも本当はまぜちの隣は僕だけだという独占欲もある。
「まぜちぃ……おねがぁい……」
「んんんんん〜〜〜…」
「だめ…?」
「んなわけねぇだろ、今日の授業終わったらすぐ行くぞ」
「やったぁ〜!!まぜち大好き!!」
人目を気にせずまぜちに抱きつく。すぐに受け止めて頭を撫でてくるところがイケメンすぎて大好き。楽しみすぎてその後の授業は全部体感30秒だった。
放課後
「まぜち!!行こ!!」
「そう慌てんなって。急がなくてもプリクラは待ってるぞ」
「だってだって!!楽しみなんだもんっ!!」
「はいはい。可愛いなぁお前は」
まぜちの手を引いて近くのショッピングモール内のゲーセンに行く。プリクラコーナーには陽キャオーラを撒き散らすJK軍団がわんさかいた。
「怖っ……」
「ああいう奴らは無視するが1番。行くぞ」
まぜちの後ろに隠れながら目当ての機種を見つけてそっと案内する。その間にJK軍団は僕ら…というか主にまぜちを見て騒ぎ立てる。
「え、ねぇ見て見て!!あの人イケメンじゃない?!」
「まじじゃん!!やば!!インスタ交換したーい!!」
「聞きに行く?!行っちゃう?!」
うるさいなぁ…。来ないでよ、僕のまぜちなんだからね!!じろりと睨んでも気づいてもいないのかJK達は何も気にせずこちらに近づいてくる。
「あの、すみません!!インスタ交換しませんか?!」
「私もお願いします!!」
「私とも!!」
怖い!!メイク濃いし香水の匂いきつい!!本能的にまぜちの服を掴む力が強くなる。絶対離さないんだから。
「悪いけど…彼女が怖がってるからグイグイ近づかないでくれるかな?」
「で、でも……」
「あと、俺インスタやってないんだよね。彼女が嫉妬するから」
「彼女っていうのは……」
「こいつだよ。だから俺のことは諦めな?じゃ、俺らも暇じゃないんで」
JK達を一蹴したまぜちは僕の手を引いておもむろに歩き出す。まぜちは振り返りもせずに休み時間中教えた機種へと歩く。ちらりと後ろを見ると相当悔しそうなJK達。まぜちは僕のだもん、と牽制を込めてんべっと舌を出しておいた。
僕がお金出そうと思ってたら既にまぜちが500円入れてたので黙って300円握らせておいた。
「けちゃ〜やってくれ、俺には分からん」
「はぁーい」
まぜちから丸投げされた設定を進めていく。2人コースを選び、特有の盛れ方”クアンク盛れ”の説明を受ける。ちなみに何も聞いていなかった。名前入力をしたら撮影ブースに入る。
「準備できたか?」
「10秒待ってぇ〜!!前髪なんか変!!」
「なんか勝手に始まったんだが?!なんだこれ!!」
慌てて前髪を直す僕と機械の設定に驚くまぜち。なんとか撮影が始まる前に前髪を整えることが出来た。
「まぜち!!ほっぺハートしよ!!」
「なにそれ?」
「僕の真似して!!こんな感じ!!」
頬でハートを作るまぜちはかっこよくて可愛い。モニターに映るまぜちに見惚れていたらいつの間にか撮影されていた。
「次はピース!!定番だね!!」
「これなら俺でもできる」
頭を近づけたら理解してくれたらしく、頭をこつんとしてくれた。普通に距離が近くてドキドキする。
「次のポーズは…わぁっ!!」
「俺、これで撮りたいんだ」
まぜちに急に抱き締められた。普段の距離は割と近い方だけどハグは基本僕からするからまぜちにされるとドキドキが止まらない。
「ハグだけで顔真っ赤だけど大丈夫?w」
「びっくりしただけだもん!!」
くそう…今度は僕がやってやるもん!!未だに抱き締められている状態のまま、次の撮影になる。シャッターが切られるタイミングでまぜちの頬にキスをする。
「なぁに?もしかしてお誘い?」
「違うって!!僕がキスしたかったの!!」
「はいはい。でもけちゃは……」
「んむっ」
まぜちから急にキスされる。口にされたしなんなら深い方。長い間されていたのでそのまま撮影される。
「ぷはっ……ちょ、なにして…」
「される側の方が可愛いよ。あ、落書きブースに移動だってよ」
気づいたらまぜちのペースに巻き込まれている。でもそれが大好き。そんなこと、本人には絶対言わないけどね。
落書きブースに移動して、アドレス入力やレイアウト設定を行う。今回はトレカタイプにした。
「お前加工つけすぎじゃね?ww原型ないやんww」
「まぜちこそ!!ww目デカすぎでしょwwwww」
お互い加工で遊びすぎて顔の原型がなかった。ちゃんと戻した。プリクラの落書き楽しすぎる。
「僕これにしよーっと!!」
「じゃあ俺これにする」
違う画像を選択して印刷されるのを待つ。僕はほっぺハート、まぜちは僕がキスしたやつにしていた。
「お、出てきた」
「貸して貸して!!コード読み取って全部貰うから後で送るね〜!!」
「助かるぅ〜」
QRコードを読み取ってからスマホに保存する。送るのは帰ってからでいいや。印刷されたプリクラは切り取ってスマホに挟む。まぜちも挟んでいた。でもその画像はちょっと恥ずかしいな?
「あのさ…今日は、その……ありがと。僕のわがままに付き合ってくれて……」
「全然いいよ。お前普段あれ欲しいこれやりたいとかなんも言わねぇから心配だった」
「なんか…ごめんね」
「気にすんな。謝ることじゃねぇよ」
頭を小突かれる。ちらりと見えたまぜちの横顔が赤いのは夕日のせいだろうか。どちらにしろ、僕とまぜちの思い出が増えたことに間違いは無い。
作中のプリ機種はキューナナのつもりで書いてます。余談ですが私はキューナナとハルイロセカイが盛れます。皆さんが盛れる機種も教えてください()
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