じわり、と先生の瞳が濡れて、溢れたものがこぼれ落ちた。
「だから本当は···こんな風に喜んじゃだめだよね···?若井くんのことヘンな目で見たことはないよ、誓って。けど、好きって言ってもらえて嬉しいんだ」
「それって···俺のこと嫌じゃない···?」
「嫌いなわけない!むしろ···すき、だよ。けど恋とか愛とかそういう対象として見たことはなくてわかんない···」
じゃあ、これからチャンスあるってこと?じぃっと先生の目を見つめながら顔を近づけていく。
「ちょ、ちょっと待って!」
今まで見つめ返してくれていた先生が顔を横に向けて押さえていた手から逃れようと抵抗してきた。
「なに?」
「顔近いから···それに離して···」
「···キスしてくれたら離してあげる」
「だめに決まってるでしょ!」
先生は顔を赤くして少し睨む。
そんなのは全然怖くないし、なんなら抵抗されてそれは煽っているようなものだ。
「···わかった」
あきらかにほっとした先生の頬に軽くキスをする。これくらいならいいでしょ?手を離してあげてにやっと笑ってやる。
「なっ···」
「これくらい、いいでしょ」
だって先生はこの家から居なくなる。
でもそういうところはちゃんとしようって真面目な先生が俺の告白を受けとめてくれたから···今はまぁ、仕方ないって少し思える。
「やっぱり、引っ越しはするんだよね?」
「うん···寂しくなるけど」
「夜ご飯、俺の家に帰ってきて一緒に食べようよ?それに泊まっていってほしいし、俺も先生の家に泊まりに行く。それなら···受け入れる」
「ほとんど今と変わらないね···けど、僕もそうしたいな」
本当はさ、 寂しいよ、やっぱり。
だから先生、鍵は返してもらわない。
それに恋愛対象として好きになってもらえるように頑張るから。
覚悟しておいて。
「先生、好きだよ。だから俺のことをちゃんと考えてよ」
「···うん、ありがとう」
今は照れて困ったような顔して笑う先生に、いつか好きって言ってもらえますように。
「とりあえず先生の隣で寝ていい?」
「うん、いいよ」
「同じ布団でも?」
「···それはだめです」
更に赤くなる顔を見てなんだか嬉しくて吹き出してしまった。
ようやく俺のことを意識してくれたんだよね?ねぇ先生。
コメント
15件
涼ちゃん意識しちゃってんじゃないの〜?若井さぁん、押したらいけそうですよ〜?
💙の真っ直ぐな告白、先生、好きだよ、が私も好きですー❣️ 隣で寝るのは良いけど、同じ布団はダメなとこも可愛いくて🤭💙💛

更新ありがとうございます✨ うわ〜💕 若井さん、少しずつ距離が縮まって良かったねぇ😭 先生も若井さんのことが気になってるみたいだし🫠 これから先もドキドキです😆 次回も楽しみにしています✨