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「中園当主より……息子の方が…収入が多いって……こと?」
「そうですけど、そんな他人のお金のことばかり口にしていないで、荷物をまとめた方がいいんじゃないですか?っていうか…篤久くんは中園の何倍の収入だ?多いっていうレベルじゃないよね?単純計算は出来ないけれどな……中園は株式や投資信託の金利生活が出来そうだし…」
遥香がお金のことばかり言うのが気に食わないのか、西郷先生はサラッとそんなことを暴露した。
「その金利も婚姻期間の収入でしょ?」
そこまで言うんだ……
「残念でしたねぇ」
西郷先生は、これが言いたかったのか?
愉しそうだね……
「よく頭が回るようですが、残念。婚姻以前に購入したものばかりなので、あなたに関係ないです。いや……元々あなたには全く関係ないですけど?あなたのお母さんにだけ関係あることです」
それもそうだね、遥香が母親のお金を当てにしていることもおかしい年齢だわ。
「失礼します。ただいま、私の立会いのもと門戸と玄関の鍵交換が完了しました」
「ありがとう、ご苦労様です。君も食事をしてください。遅くなって悪いね」
「とんでもございません」
運転手さんもが、スピード感満載で私はボーっとしている暇が無くなっている。
って……鍵?
「彼女たちの持つ鍵は使えないということ。もちろんセキュリティーの暗証番号も変更する」
私が不思議に思ったことを、篤久様が教えてくれた。
「そんな……」
「あと、引っ越し業者の車の手配も完了しております。1時間後到着予定です」
「うん、いろいろとありがとうございます。休憩のあと、またお願いします」
「承知致しました。離婚届、先生がご提出よりも私の方が早いかもしれませんが…いかがでしょうか?」
遥香の言葉を遮った運転手さん……こんなにスラスラと喋る方なんだ…すごい。
遥香が顔色を無くしたよ…運転手さんの追い詰め方でね。
「それはそうですけれど、僕が行きます。今日は土曜日だから受理はされるけれど、そのあとの戸籍とかの対応が月曜以降になるんですよね。で、戸籍を急がせたいので僕が行って、役所の中の知り合いの名前を貼り付けてすぐに対応してもらえるようにお願い…」
「お願いっていう、西郷先生サマの圧を掛けるんだな」
「中園、人聞きの悪いこと言わないでくれよ。っていうことなので、僕が行きます。ありがとうございます」
「そういうことでしたら、分かりました。では休憩に入ります」
安心して去って行かれた運転手さんと、爽やかな雰囲気のまま腹黒さをチラ見せする西郷先生……会社以外でご主人様を支える方なんだろうな。
「信じられない……無一文で放り出すつもり?」
顔色を無くしていた遥香が、今度は真っ赤な顔で言うので、血管が心配になるレベルだ。
コメント
7件
そうよ,無一文で出ていくのよ…運転手さん中々の仕事士だね。
フフꉂ🤭金使い過ぎでしょ。働いてないのにねーッ‼️😅アタマ悪いヤツに金持たせると頭悪い使い方しかしないから貯めてないっしょꉂ🤣𐤔
はい、はい、話しは終わりましたよ~ とっとと出で行って下さい👋👋👋