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(久しぶりに見たな…桜…)昨日の事を思い出しながら中庭のベンチに腰を掛けていたら、1人こっちに向かってくる。クラスメイトの瑛人だ。「昼休みはほとんど教室に居るのに珍しいじゃん」そう言いながら横に座る。僕は美術専門の高校に入った理由を尋ねた。「中学の時にさ、滅茶苦茶絵の上手い奴が居たんだよ。俺もあんな風に絵が描けたら楽しそうだなって思ってさ」瑛人は照れくさそうにそう言った。
放課後、寮に向かいながらぼんやりと考えていた。(誰かに憧れて夢を目指す人もいる…僕は人というよりも桜に憧れたのかな…)自分の部屋でいつものように絵を描き始める。僕は美術の才能があるわけじゃないから。努力しかできないと思いながらずっと絵を描いている。それでもすぐに成果が出る訳じゃない。地道にコツコツと絵を描く。そうしたほうが確実に早く成果が出るから。今日も地道に絵を書き続ける。