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「とわー?」
何か聞こえる。けど全て耳から通り抜けてる感じだ。
「と わ !!」
「え、なに?」
今更、華夜に呼ばれていることに気づく。やばい、何言ってたんだろ。
「え、なに?じゃなくてさ、大丈夫?ずっとボーとしてるよ?」
「あ、ごめん。なんて言ってた?」
「はぁ」
華夜が盛大にため息をつく。
「もうしっかり聞いてよね?まぁその話は置いといて隣のクラスの三浦くんと付き合えたの!めっちゃうれしい!」
「三浦って前言ってた?よかったじゃん」
「うん!」
友達が笑顔ならそれでいい。それだけで私も笑えるから。幸せそうだな。
でもね、すごく羨ましい。幸せを掴んでいることに嫉妬を覚えてしまう。
友達の幸せを素直に喜べないなんて、、、酷い人だ。
「んー采羽はさ、恋してないのー?」
なんていきなりニヤニヤしながら聞いてきた。反射的に私は
「恋か、、、」
と言葉を漏らしていた。やばい、バレるかも。華夜は勘が良かったんだった。
「ふ〜ん、その様子じゃ確定的だね。采羽は恋してる。で、どこの誰?」
最初はからかうように言ってきたけど最後の方では目をキラキラ輝かせながら聞いてきた。さてどう答えようか。名も顔も知らない人に恋をしているなんて言ったら、どうかしてるって思われちゃいそうだしな。ここはあえて誤魔化す?いやでもすぐにバレるだろう。悩む、、、
「誤魔化そうなんてしないよね?」
あ、圧がすごい。とにかく恋愛面においては嘘をつかない方がいいだろう。
「えっと、そのーなんて言ったらいいんでしょうか、」
うわ、いつもと違う喋り方になってるし動揺しまくりじゃんっ!
(え、今日の采羽が可愛い)←華夜の心の声
「えーと、いいます!前に旧友と遊んだ時に一目惚れして、、、」
「ほう、」
「けどどこの誰かもわからなくて、、、困ってる」
言い終わると華夜はなるほどーみたいな顔していた。そして私の顔は多分赤い。
「まぁとにかく探すしかないよね。高校生くらいならゲームセンターとかにいるかもね」
「そうだね」
果たして見つかるだろうか?華夜には言ってないが顔もわからないっていうのに、、、
「今日は亜久、三浦くんのことね、とデートする約束したから明日にでも行こっか!」
「うん」
今日は暇だし部活の見学にでも行くか
ー放課後ー
んーどこから行こっかななんて私は校舎の廊下を歩き回っていた。
家に帰ってもいいことないしね。まずは科学部に行ってみようかなー
科学部に行くと何か面白そうな実験をしていた。あ、でもこれはやばい。
絶対爆発する。あ、ダメ。黒髪少年!それ入れちゃ、、、
ボンッ!!
予想通り爆発した。科学部のくせに何やってんだ!(笑)
黒髪少年の隣にいた明らかに染めた感じがある茶髪の少年が黒髪少年を注意した。
「朔久、!前も言ったじゃんか!それ入れちゃ爆発するって何やってんだよ!これでまた科学部の実験器具が一つ失われたじゃん。顧問に殺される、、、」
「あははっごめんって。まぁいいじゃん?顧問に怒られるの俺だけだし?」
あの声、どこかで、、、
「あ!」
路地で傘くれた人だ!声が一緒!
「ビビったー!え、誰かいる?気づかなかった」
やべ、思わず声出しちゃった。
「いや、あの1年の雨下です。いきなり大きな声を出してすみません。」
「いや、いいんだけどなんでこんな辺鄙な部活へ?」
「見学です」
茶髪少年の次に黒髪少年が声を出した。
「あーなるほどね、そっか、そっか!この部活入る?部員欲しかったんだよねー」
確かに少ない。そろそろ潰れそうだしな。それに家に帰りたくないし、ここじゃお金もあまりかからなくて済むだろうしアイツも許してくれるだろう。
じゃなくて、
「いや、入ってもいいですけどお聞きしたいことがあって、」
「うんうん、なんでもどうぞ?」
「黒髪の方なんですけど」
「え、俺?」
いきなり自分のことを言われてびっくりしてるようだ
「3日前、○△駅の路地にいましたか?」
「み、っかまえ、、、あー!いたね。雨が降ってた日でしょ?」
やっぱり!私の記憶は間違ってなかった!嬉しすぎてどこかに視線を逸らそうと茶髪の人を見るとなんか怒っていた。
「はい、その時にずぶ濡れでうずくまってる少女見かけませんでした?」
「あーいたね、寒そうだったなぁ。今にも死にそうだった」
「あれ、私です」
「え、そうなの?」
「はい」
なんかあの時のこと話すの気まずけどこのチャンスを逃すわけにいかない。
そんな時茶髪の人が大きな声を出した。
「あのー感動の再会みたいなのしてるとこ悪いんですけど、朔久!!あれだけ1人で路地へは行くなって言ったじゃんか!何を聞いてた?」
「だって、、、」
「だってじゃねぇ。」
「まぁいいじゃんか、新しい部員も入ったわけだし?これも何かの縁ってやつだよ!」
そうして私と朔久の恋物語が始まった。