月詠×四季♀
「四季ちゃん」
「月詠さん!」
「どう?俺、可愛い?」
ベールに包まれた顔のまま首を少し傾げて聞いてくる。その仕草だけですでに可愛いというのにも関わらず、ウェディングドレスを纏った四季は化粧も相まって普段よりも大人びて見える。
「綺麗だよ」
「!綺麗は…ちょっと、恥ずい」
顔を背けて照れ始めた四季を見て、今唯一残っている不安を取り除こうと月詠は柔らかい笑みを浮かべて話しかける。
「…ねぇ四季ちゃん、君はもしミリョンパ先生の占いがなくても今ここに居てくれたかい?」
「ん?どーいうことだよ??」
背けていた赤い顔を月詠に向けるように見上げた。
「あの人の、四季ちゃんと初めて会った日」
「ミリョンパ先生の本には、運命の人が現れるって書いてあったんだよ」
「運命?」
「運命」
話の先がよくわかっていない四季は、少し不安そうな顔をしている、不安を拭おうと頬を撫でれば無意識的に四季は月詠の手に擦り寄った。
「だから、四季ちゃんと目が合った瞬間にわかったんだよ」
「君が運命の人なんだって」
「あー…要するに一目惚れってこと?」
「ん…まぁ、そうなるかな」
正確にはちょっと違うと思うけれども、大まかに言ってしまえばそういう事だなと月詠は思い、目の前の可愛い恋人にうなづいた。
「なら一緒だな!」
「え?」
「…あんな、言ってなかったけど」
「俺も月詠さん見て一目惚れだったんだぜ」
へへっと笑いながら耳打ちして来た彼女は同じだったことを喜び満悦の息をする。
「それに…占いじゃなくても、運命じゃなくても」
「俺は月詠さんが好きだぜ」
「誰よりも」
蒼い瞳は底を知らない深海のように魅惑的で美しい。あの瞬間目が合った瞬間に俺はこの目に、この色に沈んでいたのだろう。
自分よりもイケメンなうえに男前で可愛い恋人を月詠は優しく抱きしめた。
机の上に置かれたミリョンパ先生の占い本が風に吹かれてページが捲られる。
きっとそこにはこう書かれているだろう
『占う必要がないほどの幸福』
コメント
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(*ノェノ)キャー(*ノェノ)スゲェ(*ノェノ)ステキ これまで一人ひとりの気持ちが細かいとこまで作られてて見ててめっちゃ顔ニマニマなる! つくしき好きッッ💖