TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
シェアするシェアする
報告する

「あの、あなた……一堂 彩葉さん?」



「えっ、あっ、はい。あ……あなたは?」



「私は藤間 マリエ(とうま まりえ)と申します」



大型ショッピングモールに雪都と来ていた私の前に、1人の女性が突然現れた。



「藤間……さん?」



全く知らない人だ。



「ごめんなさい、急に。その子……あなたのお子さん? 可愛いですね」



その女性は、モールの一角にある小さな屋内の公園で遊ぶ雪都を見ながら言った。



「あっ、ありがとうございます。すみません、あの……」



私と同じくらいの年齢かな?



165cmの私より少しだけ低いくらいの背丈。



髪質がとっても綺麗で、前髪がしっかり整った黒髪ロングの見た目が印象深い女性。



目が大きいせいで、とても惹き付けられる。



「ごちゃごちゃ言っても仕方ないので、ハッキリ言います。あなたには慶都さんから離れていただきたいの」



「えっ……?」



いきなり過ぎて話が見えない。



丁寧な話し方なんだけど、言ってることはかなり強引。



「あの、どういうことでしょうか?」



とにかく冷静を心掛けて質問した。



「言葉通りです」



「藤間さん、意味がわからないんですが……」



「藤間フーズという会社を営む私の父と、慶都さんのお父様は、仕事の関係で昔から仲が良いんです」



藤間フーズといえば食品関係のかなり大手だ。



身につけているものは高そうな物ばかりだし、お上品でおしとやかな雰囲気だから、どこかのお嬢様なんだと想像はできたけど……



「私は藤間フーズの一人娘として、ずっと以前から慶都さんと仲良くしていただいてました」



仲良くって……いったいどういう関係なの?



「つまり、私は慶都さんのことが好きなんです」



えっ、す、好き!?



ちょっと、そんな大切なことを私にカミングアウトされても困るよ。



私、それを聞いてどんな顔すればいいの?



ハッキリ状況が飲み込めなくて、私は藤間さんに質問をした。



「あ、あの、藤間さん。もしかして……慶都さんとお付き合いされてたってことですか?」



「お付き合いということではないです。でも、私にはわかってました。彼が私を……愛してくれてることを」



「あ、愛してくれてる?」



あまりにも確信に満ち溢れた言葉に、一瞬、舞台のお芝居を見ているような感覚に陥った。



「ええ。でも、5歳年上で兄のようにも慕っていた慶都さんは、私を好きなはずなのに、なぜかitidou化粧品のご令嬢、麗華さんとお見合いをされたんです。本当にひどい話です。私という女性がありながら……」



藤間さんは、ため息をつきながら空を見上げた。



遠い目をして、まるで自分の世界に入り込んでしまったみたいに体が固まってる。



藤間さんの舞台を終わらせ、こちらに呼び戻さなければ話が進まない。



「あの……だ、大丈夫ですか?」

あの夜、あなたがくれた大切な宝物~御曹司はどうしようもないくらい愛おしく狂おしく愛を囁く~

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

40

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚