テラーノベル
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大輝はテーブルの脇まで歩いていき、陽斗が掲げた缶を受け取った。冷えた缶の表面には細かな水滴が浮いていて、握った指の腹がすぐに濡れる。
「ありがと」
「琴葉から。差し入れだって」
陽斗は顎で、テントの前の方を示した。琴葉はテーブルの端で自動車部のチラシの束を揃えながら、ロープの向こうで足を止めた家族連れと話している。父親が受け取ったチラシを覗き込み、その脇で小学生くらいの男の子が、枠に止まった黒いGRBを指さしていた。琴葉は首のタオルを片手で押さえ、もう片方の手でGRBのボンネットの方を示しながら、男の子の目の高さまで少し腰を落としていた。
大輝はパイプ椅子を1脚引き寄せて腰を下ろし、プルタブを起こした。缶の口から、甘くないコーヒーの匂いが立つ。
ロープの向こうを歩く人は、さっき管理棟の角から見た時より増えていた。手首に色の付いたリストバンドを巻いた人たちが、ショップのテントの前で立ち止まってはスマートフォンを構え、また次のテントへ流れていく。積載車から下ろされていた白いCKV36型スカイラインクーペの前では、首からカメラを提げた男がしゃがみ込み、低い位置からホイールを撮っていた。ベビーカーを押す夫婦が、その後ろをゆっくり通り過ぎる。湿ったアスファルトの匂いに、どこかで誰かが塗った日焼け止めの匂いが混じって流れてきた。
ロープの際で、大輝たちと同じくらいの歳の男が2人、自動車部の枠の端に止めたエボXの方を見ていた。1人がスマートフォンの画面と実物を見比べている。
「あれじゃね、午後のやつ」
「羽ないやつな。なんか地味」
「これで赤城と走る気かよ。ドライバーの頭悪いんじゃねえの?」
画面を持っていた方が、エボXに向けてスマートフォンを横に構えた。撮り終えると、2人はそのまま隣のショップのテントの方へ歩いていった。
「だってよ」
陽斗がパイプ椅子の背にもたれたまま言った。
「褒め言葉として受け取っとくわ」
「乗ってるヤツ、目の前でコーヒー飲んでるって知ったらなんていうんだろ」
「それでいいんよ。顔まで知られたら、煙草も吸えねえわ」
「喫煙スペースあるんだっけ?」
「あるよ。管理棟の裏」
大輝は缶を持ったまま立ち上がった。陽斗も、パイプ椅子から腰を上げる。
ロープのこちら側を管理棟の方へ歩いていくと、DRIFT Societyの黒いワンボックスが見えてきた。スライドドアが開け放されていて、その内側の段に、赤城が腰を下ろしている。レーシングスーツの上半身を脱いで腰で袖を結び、膝の上でスマートフォンを横に構えていた。
ワンボックスの脇では、朝にカメラを構えていた人が、カメラの小さな画面を覗き込んでいた。その隣で、三脚を担いでいた方の人が、ノートパソコンを片腕に載せている。画面には、まだ始まっていない配信の待機画面が出ていて、隅に黒森ステージのロゴが入っていた。
「結局、今日うちのカメラって素材撮りだけっすよね。配信は黒森さんの公式の枠に乗っかるだけで、こっちで回せるとこ、ほぼないじゃないすか」
カメラの人が、小さな画面を覗き込んだまま言った。ノートパソコンの人が、片腕に載せた画面を持ち直す。
「午後のトークも、相手の名前出すなって言われてるしね」
カメラの人が、首を横に振った。
「名前どころか車もでしょ。羽がどうとかも駄目、エボXのネタ全部駄目。黒森さんからも、煽るようなのはNGって念押されてるし。事務所にも1日に書面来ちゃってるし」
「撮れ高、どこで作んのよ、今日」
ノートパソコンを抱えた人が、画面から顔を上げずに言った。赤城はスマートフォンから目を離さないまま、親指で画面を送った。
「走りで作ればいいじゃん。どうせエボXなんて、ただのギャランベースのカタログモデルなんだから。このIX MRは違うのよ。名機4G63を積んだ、世界最後の、本物のランサーエボリューション。歴代最速のね」
画面を送る親指が、そこで止まった。
「なのに、なんでこっちが気ぃ遣わなきゃなんないわけ? あの鼻ピアス、あたしが挨拶してやったくらいで──」
「夏帆さん」
カメラの人が、赤城の肘に手を掛けた。顎の先で小さく、こちらを示す。赤城が顔を上げた。目が大輝の顔で止まり、鼻の脇へ少しだけ動く。赤城の口が閉じた。ノートパソコンの人が、画面を半分ほど倒す。
赤城が段に腰掛けたまま、小さく頭を下げた。大輝も歩きながら、同じくらいに頭を下げ返す。陽斗は何も言わず、大輝の半歩後ろをついてきていた。
管理棟の角を曲がり、ワンボックスが見えなくなったところで、陽斗が口を開いた。
「やってんな、胸」
「お前、美帆さんと同じリアクションじゃね?」
「あれは『やってる』って言ってほしい胸だろ」
「そんなイジられキャラのおっぱいなんて初めて聞いたよ」
大輝は笑いながら答えた。
管理棟の裏へ回ると、灰皿のスタンドが1本立っていた。大輝はポケットから煙草を出して火を点け、陽斗の方へ流れないよう、顔を横へ向けて煙を吐いた。
「挨拶してやった、だって」
陽斗が管理棟の壁にもたれて言った。
「挨拶しに行ったの、お前の方だよね」
「当たり前でしょ」
大輝は缶のコーヒーを一口飲み、もう一度煙を吐いた。管理棟の壁の向こうから、スピーカーのテストの声が短く聞こえてくる。煙草を灰皿へ押し付けて消すと、2人はテントの方へ戻った。
テントの奥では、菅原がクリップボードを片手に、部員を3人ほど自分の前へ並ばせていた。
「10時20分、第1組である。ヘルメットとグローブは各自で今一度確かめよ。誘導の係員の指示が、本日は何よりも優先だ」
部員たちは頷き、それぞれの車の方へ散っていった。菅原はクリップボードに何か書き込み、管理棟の方へ顔を向けたまま、そこから動かなかった。
10時を少し回った頃、管理棟の方でスピーカーが一度だけハウリングを鳴らした。パドックのあちこちで、人の話し声が少しずつ低くなる。
『皆さん、おはようございます! 黒森ステージ サマーモータースポーツフェスタ2026、ただいまより開会いたします』
女性の司会の声が、管理棟の壁と坂の斜面に当たって、遅れてもう一度返ってきた。ロープの向こうを歩いていた人の流れが、声の方へゆっくり寄っていく。テントの下からは、人の頭の隙間を通して、管理棟の前に立てられたマイクスタンドと、その脇に並ぶ反射ベストの列が見えるだけだった。
最初にマイクの前に立ったのは伊藤だった。さっきのブリーフィングと同じ声が、今度はスピーカー越しに大きく広がる。
『黒森ステージの伊藤です。本日はお越しいただき、ありがとうございます。最初に、安全のお願いです。黄色と黒のロープを越えて、パドックの側へは絶対に入らないでください。パドックの中では車両が動きます。係員が誘導棒を振っている時は、その場で止まって、係員の指示に従ってください。それと、今日は蒸しますので、水分をこまめに取ってください』
ロープの際で、さっきの父親が男の子の手を引き寄せた。男の子はGRBから目を離さないまま、父親の脚にもたれかかる。
『続いて、本日のプログラムです』
司会の声に戻り、10時20分からのデモンストレーション走行、昼の展示と体験の案内、ショップと大学自動車部の紹介が順に読み上げられていく。琴葉はチラシを揃える手を止めずに、自動車部の名前が呼ばれたところでだけ顔を上げ、また手元へ目を戻した。
『そして本日のスペシャルゲスト。峠MAXX初代王者、DRIFT Societyから、赤城夏帆さんです!』
拍手と一緒に、人の頭の上へスマートフォンがいくつも持ち上がった。持ち上がった画面の隙間から、高い位置で結んだ髪と、赤いレーシングスーツの肩が覗く。赤城は片手を大きく振っていた。
『おはようございまーす! 赤城夏帆です! 今日1日、よろしくお願いします! 午後の追走も、ぜひ見に来てくださいね!』
さっき車検のテントの下で聞いた声より、一段高く、よく通る声だった。ロープの向こうで、また拍手が起きる。誰かが指笛を鳴らした。
『その14時からのスペシャル追走エキシビション。赤城さんと一緒に走るのは、地元青雲の庄司大輝さん、エボXです。こちらもお楽しみに!』
拍手と一緒に、短い歓声がもう一度上がった。管理棟の方を向いていた何人かが、首を巡らせてパドックの中を見回す。ロープの際にいた若い女性の2人連れが、何か言い合いながら自動車部の枠の端に止まった青い車を指さし、それからテントの下の陽斗の方へ目を向けた。
「黄色い歓声あってよかったな」
「あの感じ、あの女の子達、お前の事を庄司大輝だと思ってるよ」
大輝は缶の底を指で支えたまま、管理棟の方は見ずに言った。
「まさか」
陽斗が鼻で笑い、膝の上でスマートフォンの画面を点けた。
司会がデモンストレーション走行の注意事項を読み上げている間、陽斗は画面を親指で上へ流していた。今朝の赤城の投稿の下で、返信がまだ伸び続けている。しばらくそれを流してから、陽斗は画面を伏せて膝に置いた。
「やっぱ変なんだよな」
「何が」
「最初の書き込み、GRヤリスも一緒だったじゃん」
大輝は缶を口から離した。黒森の掲示板に書かれていたのは、羽のない青いエボXと、プレシャスメタルのGRヤリスの2台だった。
「あー。それな」
「それが赤城さんのとこ行った時には、エボXだけになってんの、おかしくない? ナンパの話なら、GRヤリスの方が本題じゃん。声かけられたの、真希さんの方なんだし」
「まあな」
管理棟の前では、司会がデモ走行の第1組の顔ぶれを読み上げ始めていた。ショップの名前が呼ばれるたびに、ロープの向こうのどこかで小さく拍手が起きる。
「で、さっきのも聞いた感じだとさ」
陽斗は伏せたスマートフォンの縁を、指先で軽く叩いた。
「あの人がエボX嫌いなのはガチだけど、最初からお前のこと探し出して、掲示板まで漁って仕掛けたって感じは、あんましなくない?」
「今日見た限りはな」
大輝は管理棟の方へ一度だけ目をやった。赤いスーツの肩が、まだ人の頭の向こうに覗いている。
「あちらさんだと、あんな感じだけど」
「そう。乗っかってはいるんだよ。投稿もしてるし、今日だってああやって呼んでるし。でも、乗っかった人と、最初に火ぃ点けた人が同じとは限んないじゃん」
「アンチがどうのって、前も言ってたな」
「それ。で、GRヤリス外したのも、たぶんわざとなんだよ。赤城さんに持ってくなら、エボXの方が食いつくって分かってる人の外し方」
「峠MAXXの時のあれか」
陽斗が頷いた。
「あれ知ってたら、エボXだけ持ってくよね」
大輝は缶を軽く振った。底の方で、残りのコーヒーが小さく鳴る。
陽斗はパイプ椅子の上で脚を組み替えた。
「あと、TW280ってのもずっと引っかかってて。あれ、前に履いてたやつの数字でしょ」
「前のな。真希さんと初めて会った時には、もうTW240に替えてた」
東麓の管理区画で、真希がエボXの後ろ姿からホイールへ目を落とし、純正のBBSかと訊いてきたのを思い出す。あの時の足元には、もう今のシバタイヤが収まっていた。
大輝は缶を膝の上に下ろした。
「BBSも、近くで見なきゃ純正にしか見えねえし」
「でしょ。だから、5月くらいまでにお前の車見てて、それっきりの人なんだよ。しゃがんで刻印まで見てたら、280なんて書かないって」
「5月なあ」
大輝は黒森のパドックを思い浮かべた。5月も、月に2度のペースで通っていた。それでも、エボXを覗き込んでいた誰かの顔は、1つも出てこない。
「覗き込まれた覚えとか、全然ないんよ」
「だろうね。覗き込まれてたら、お前絶対話しかけてるもん」
「そりゃ話しかけるっしょ」
陽斗は小さく笑い、それから、伏せていたスマートフォンを手の中で裏返した。画面には、さっきの赤城の投稿がまだ表示されている。
「で、今日これでしょ。勝ち負けつけないってなって、赤城さんまで、相手のこと中傷しないでって出して」
「出したな」
「火ぃ点けた側からしたら、思ってたのと全然違う方に転がってんだよ。今頃、怒ってるか、焦ってるか」
陽斗はロープの向こうへ目を向けた。リストバンドを巻いた手首、首から提げたカメラ、ベビーカーの持ち手。人の流れは、さっきより途切れなくなっている。
「そういう人ってさ、見に来ると思うんだよね。今日」
大輝も同じ方を見た。チラシを手に立ち止まる人、スマートフォンを構える人、子供の手を引いてテントの前を通り過ぎる人。見覚えのある顔は、その中のどこにもなかった。
「来てても、顔知らねえしな」
陽斗は鼻から短く息を抜き、テーブルの上のチラシを1枚取った。
「まあ、真希さんの方に話が行ってねえなら、それはそれでいいけど。行ってたら5日の予定潰れちまう」
大輝がそう言うと、陽斗はチラシの裏の白いところに目を落としたまま、小さく頷いた。
『それでは10時20分より、デモンストレーション走行を開始します。第1組の車両は、係員の誘導に従って、スタート側へ移動してください』
パドックのあちこちで、エンジンがかかり始めた。低いアイドリングの音がいくつも重なり、その間を、誘導棒を振る係員の笛が短く切っていく。自動車部の枠からも、部員の1人の車がゆっくりと動き出した。ヘルメットを被った部員が、運転席の窓越しに軽く手を上げる。
菅原はテントの端に立ち、腕を組んだまま、その車がパドックの出口を曲がって見えなくなるまで目で追っていた。
「啓司、チラシ足りない。段ボールの2つ目、持ってきて」
琴葉がテーブルの端から声をかけた。
「某は今、部員の門出を見送っておる」
「もう見送り終わったでしょ。いいから早く」
菅原は組んでいた腕を解き、何も言わずにテントの奥へ回った。段ボールを抱えて戻ってくるまでに、琴葉はもう次の来場者へチラシを手渡していた。
菅原が段ボールをテーブルの脇へ下ろしたところで、陽斗がチラシを膝の上に置いた。
「そういえばさ、いつからEJ20って等長マニホールドに変わったの?」
段ボールの蓋に掛かっていた菅原の手が止まった。切れ長の目が、ゆっくり陽斗の方へ向く。
「EJ20は多岐に渡るゆえ、答えられぬ」
「インプレッサでいいよ」
大輝が横から言った。菅原はそれには答えず、陽斗を見たまま片眉を上げた。
「お主も六連星の良さに目覚めたのか」
「まさか。なんとなく気になっただけ」
菅原は蓋から手を離し、肩でひとつ大きく息を吐いた。
「露骨に残念がるなよ」
大輝はパイプ椅子から腰を浮かせ、菅原の肩を軽く叩いた。
「残念がってなどいない」
菅原は顎を引いて背筋を伸ばし、2人の方へ向き直った。
「GDBが涙目と呼ばれる頃である。暦は2002年。某が生まれる前の頃であったな」
「ジョスリンはGDB乗りって事か」
陽斗が大輝の方へ目を向けた。
「らしいね。WRブルーの──」
「WRブルーマイカのGDBなど、別に珍しいものでない。六連星を愛する者ならば選ぶべき色である」
菅原が、大輝の言葉にかぶせるように言った。
「お前のは黒じゃん」
大輝は、枠に止まった黒いGRBへ顎を向けた。
「某は漆黒の中に赤き血潮……」
そこで菅原の言葉が途切れた。眉がわずかに寄る。
「血潮?」
首を傾げたまま、菅原は大輝の方へ顔を向けた。
「潮とは、不埒な言葉ではないよな?」
「またいちいち中学生じゃあるまいし、反応しなくっていいから」
琴葉が来場者へチラシを手渡しながら、こちらを見ずに言った。菅原の耳の縁が、うっすらと赤くなっている。菅原は何も言わずに段ボールの蓋を開け、中のチラシの束を取り出し始めた。
しばらくして、坂の上の方から、最初の排気音が下りてきた。スタートからの加速が、斜面の木々に当たって膨らみ、四段つづらのヘアピンへ入るたびに一度途切れて、また立ち上がる。登っていくにつれて音は細くなり、尾根の向こうへ回り込んだところで、ふっと聞こえなくなった。ロープの際に立っていた人たちの何人かが、音のした方の斜面を見上げている。その横で、スマートフォンの画面を覗き込んでいる人もいた。配信を見ているのか、画面の中の小さな車を、首を傾けて追っている。
次の車の音が、また坂の下から上がっていった。さっきの車より、ヘアピンの手前で回転が落ちきるまでの間が短い。立ち上がりで、タービンの吸い込む音が先に聞こえた。
大輝は缶を口へ運んだまま、その音が尾根の向こうへ消えるまで聞いていた。
組が2つ、3つと入れ替わる間に、ロープの向こうの人はまた増えていた。自動車部のテントの前でも、何人かが立ち止まってはGRBを眺め、琴葉からチラシを受け取っていく。菅原は段ボールの横で、部員の1人と並んで、戻ってきた車のタイヤに掌を当てていた。
大輝はポケットからスマートフォンを出した。画面の時計は10時44分だった。
缶に残っていたコーヒーを飲み干し、テーブルの脚に括り付けてあるゴミ袋へ落とす。空き缶が袋の底で、他の缶に当たって軽い音を立てた。
パイプ椅子から立ち上がり、エボXの後ろへ回る。トランクを開けると、ヘルメットバッグとダッフルが、車検の時のまま並んでいた。2つを順に引き出して地面に置くと、トランクの中には、左の側壁に収まったサブウーファーだけが残った。大輝はトランクを閉め、2つの荷物を両手に提げてテントの下へ戻った。
「そろそろ?」
陽斗がチラシから顔を上げた。
「そろそろ。先に管理棟で計時器もらってくるわ」
「荷物、ここ置いとけば」
陽斗は空いているパイプ椅子を1脚、足で大輝の方へ押し出した。大輝はその座面にヘルメットバッグを載せ、ダッフルを椅子の脚に立てかけた。ダッフルのファスナーを半分ほど開けると、OMPのスーツの襟元が覗いた。その上に、Alpinestarsのグローブが重ねてある。大輝はそれを確かめてから、ファスナーを閉め直した。
「着替えは?」
「戻ってから」
「おー」
陽斗はもうチラシをテーブルに戻し、スマートフォンを手に取っていた。大輝はロープのこちら側を、管理棟の窓口の方へ歩き出した。
コメント
1件
読み終えました。イベント本番なのに、どこか漂う不穏さ。陽斗の推理パートが秀逸で、GRヤリスが掲示板から消えた件、TW280の数字、どれも「誰かが意図的にエボXだけを標的にした」と読める伏線になっててゾクゾクしました。菅原の「血潮」で詰まる可愛いやりとりも、いい緩急になってますね。大輝があの走りでどう返すのか、次が楽しみです。
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ねこむすび
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