*両片思いのソナチ
*NLです。
ソ連視点
モスクワの冬は寒い。至極当たり前のことだがな。今日も一人でウォッカを相棒に帰る。
ソ連「(今日も吹雪か・・・、あいつら大丈夫か?)」
家で遊んでいるであろう我が子の心配をしながら、帰り道を歩き続けていた。夕方は人で賑わう、友と話をしている小娘、幼子と手を繋いで帰る母親、その面々は様々だ。戦争が起きそうで国同士が対立しかけて居るのに、ここはいつもと変わらない。
ソ連「たまには・・・・・・悪かねぇな。」
ソ連「ただいま、吹雪は大丈夫か?」
今日は子供達にちょっとした土産物がある。さぞかし喜ぶだろう。
ナチス「あぁ、お帰り。吹雪大丈夫だったぞ」
ソ連「・・・は?」
しっかりしたスーツ、黒色のタイツ、ドイツの軍帽にロングコートの女が居る。あのナチスだ。何故俺の家に上がり込んでるんだ?というか住所も知らないはずだろう。
ソ連「ナチス・・・・・・か?」
ナチス「同盟国の顔を忘れたのかお前は」
ソ連「いやなんで居るんだよここに」
ナチス「・・・貴様なァ・・・」
眉間をピクピクさせる彼女には俺よりも小柄なのに、圧倒される殺気がある。相当怒っている。流石あの西側諸国共を震え上がらせる様な女だ。
ナチス「貴様が!電報で!計画書や報告書を!何故か英語にしろと言ってきたのだろうが!」
ソ連「は?」
ナチス「やっぱりな!相当疲れてたか酔っ払ってたんだろ!」
ソ連「あ”ーー・・・・・・、いつ電報送った?」
ナチス「三日前」
ソ連「・・・バーボンウイスキー飲んでたな。」
ナチス「だろうな!この酔っぱらい!」
資本の犬の腐りきった言語なんてまっぴらごめんだ。英語にしろなんて言う訳ない。・・・相当酔ってたな。
ナチス「全く・・・、心配してやった私が馬鹿みたいじゃないか。」
ソ連「悪い・・・。もう今日泊まってけ、この時間じゃ蒸気機関車も来ねぇだろ。」
ナチス「構わん、私は仕事がある」
ソ連「・・・お前、何徹目だ?」
ナチス「5」
ソ連「寝ろよ・・・。」
ナチス「忙しいんだ。周辺の国や、イタリアや日帝の事で色々あってな。」
ソ連「それだといつか倒れるぞ」
ナチス「私を舐めるなよ?大丈夫だ。」
ソ連「大丈夫な奴なら靴下裏返しで履かねぇよ」
ナチス「!?裏返しだったのか!?」
ソ連「とにかく休め、仕事なら俺がどうにかする」
ナチス「ど、どうにかするって・・・、お前・・・!」
ソ連「あそこのシャワールームでシャワー浴びてこい。バスローブにタオルもある。」
ナチス「じゃ、じゃあ・・・お言葉にあまえて・・・」
ここまで疲弊してるとはな。あの頃のあの美人顔が台無しだ。どうせ彼女の仕事も簡単なものが山積みになっただけだろう。それなら俺でもできる。
ソ連「(いつからかな・・・、アイツの事を女として見だしたのは)」
ソ連「(連絡もしといたし、これでいいだろ・・・)」
椅子にすわりながら、背伸びをする。知らない内に体は凝り固まっていて、軽く背伸びしただけでかなり心地よかった。
ナチス「その・・・、ありがとな。シャワー・・・」
ソ連「おお、出てきたか。奥の部屋に空き部屋があるからそこで寝ていいぞ。」
ナチス「・・・1つ質問しても?」
ソ連「?」
ナチス「その・・・、お前も早く寝たらどうだ?」
ソ連「・・・俺の心配か?」
ナチス「そうだ。いっつも酒飲んでるだろ・・・?やけ酒してるんじゃないかと・・・」
上目遣いで俺に話しかける。あのナチがこうなるとは思わなかった。いっつも生真面目なナチが、いっつも注意ばかりのナチが。
ソ連「まぁな・・・。こんな状態だし、やけ酒もするぞ」
ナチス「だ、だったらお前も早く寝ろ!」
はぁ・・・と1つため息をつく。いっつもこうだ、幼少期に初めてナチとあったときからナチのこういう面には弱い。
ソ連「・・・そうだな。俺もさっさと寝るよ」
ナチス「あ、あと!」
ソ連「どうした」
ナチス「き、今日・・・一緒に寝てくれないか・・・?///」
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