紫紺の身体の下には草木のベッドが出来ていた。
状況が呑み込めず寝起きの頭で考えていると外からシャーフが帰ってきた
『起きたんだね、おはよう、良く眠れたかな?』
「シャーフ!おはよう。このベッド、貴方が作ってくれたの?」
『ああ、硬い床で客人を寝かす訳にはいかないからね』
「でもこんなのいつ作ったのよ」
『昨日の夜君が床で寝ているのを見つけた時だ』
「嘘、そんな短時間で作れる訳ないじゃない」
『そこまで舐められていたとは心外だな、それくらいならすぐに出来るさ』
そう言いシャーフは手の平から植物を出し紫紺が腰掛けているベッドと同じ物を作り上げた
「今何をしたの⋯?まるで魔法じゃない」
『魔法だが、何がそんなに不思議なんだ?』
『そういえば君の使う魔法を聞いていなかったね、君はなんの魔法を使うの?』
どうやらシャーフの種族は魔法が使えるのが当たり前らしい
だがシャーフはまだ紫紺が魔法の使えない人間だとわかっていないようだ
もしここで正直に魔法が使えないと言ったら人間という事がバレてしまう、食べられてしまうかもしれない。そんな不安が頭をよぎる
少し悩んだ末、口を開いた
「私は魔法使えないの。そういう種族だから」
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