コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
スラリとした体に長い手足、真っ白な肌に長くて綺麗な髪。扇風機の風で髪がなびいている。
そして、髪の間から見えた、切れ長で真っ黒な瞳の目に、高い鼻、小さくて薄い唇。
彼女はこっちに気付く様子が無く窓にもたれかかって本を読んでいる。
ああ、彼女は
とても美しい。
私は完全に魅了されてしまった
「…あ、ごめんなさい、気づかなくて。
本の返却ですか?」
彼女の声でハッとした。
ずっと彼女の美しさに見惚れてしまっていて声をかけることを忘れていたんだった、
「あ!いや、あの…昼休み、カーディガンを忘れてて…、」
頑張って声を絞り出した。人と話すだけでここまで緊張するのは初めてだ。
「あー。あのブレザー貴方のだったんですね。ちょっと待ってください。」
そういうと彼女はカウンターの奥の部屋に入って行った。
戻ってきた彼女の手には黄色のカーディガンが。
「これですか?」
「はい、!私のです!」
「持ち主が見つかって良かったです。」
そういって彼女はふっと笑った。
愛想笑いなんだろう。だけど、目が細く、軽く緩んだ唇になる微笑みを向けられ、ドキッとした。
「……あ、……あの……!」
「…ん?」
勇気を出して話しかけてみた。
「…な、名前は…なんて言うんですか?」
「…坂月椿です。」
彼女は静かに答えた。
「…学年は…?」
「1年です。」
1度勇気が出たせいか、気づけばまた質問していた。
「えっ、1年!?い、一緒です!」
「ああ、一緒なんですね。」
「わっ、私、1年A組の凪篠菜乃花です!よ、よ、良かったら…な、……仲良く、しませんかっ!!」
あああ、勢いで変な事をペラペラと喋ってしまった。
私は自分の顔が熱いのがわかった。
恥ずかしすぎて、相手の顔を上手く見れない。
「………。私は1年C組の坂月椿です。
…是非。」
間が空いてから彼女は答えた。
微笑んだ彼女を見て、私は嬉しさと恥ずかしさが止まらなかった。
だけど、話しかけてみて、よかった。
「…!やったぁ!椿ちゃんって呼んでもいい?!」
「はい。お好きに呼んでください。」
「同い年だし、タメ口でいかない…?」
「そう…だね、慣れないけど。」
彼女は私のぎこちない質問にふっと笑って答えてくれた。
「あの…っ、」
「菜乃花!」
「わっ!!」
椿ちゃんに言いたいことあったのに、紫莉の声で遮られてしまった。
「もー、遅いよお…」
「ごめんごめん!すぐ行くよ!
ごめんね、椿ちゃん、またね!」
「あっ…うん。またね。」
紫莉に手を引かれて別れた。まだ話したかったが、紫莉たちを待たせていたから、寂しいけど別れた。
「また新しい友達ー?」
「うん!椿ちゃんって言うんだけど…、」
「ふーん。菜乃花ってば、ほんと陽キャだよねー。」