コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
放課後・学校校舎裏
夕方、ほのかは部活帰りに購買横のベンチでひと息ついていた。
「……なんか、喉が、から……い」
ふと感じた違和感。
水を飲もうとした瞬間ーー誰かが横に立っていた。
「お疲れ様、春風さん」
「あ……響夜くん?どうしたの?」
「遅くなったから、送っていこうかと思って」
微笑む響夜。その手には、差し出された缶のジュース。
「え?あ、ありがと……」
その一瞬ーー背筋を通る微かな違和感。
(この空気、なんだろう……)
ほのかは受け取ったが、飲もうとはしなかった。
学校の屋上🏫
その様子を見張っていたのは、もちろん楓とむつる。
「……怪しい」
むつるの声はいつもより低い。
「ジュース、受け取ったけど飲んでない。ほのか、警戒してる」
「行く?」
「まだ、今はーー」
むつるが遮る。
「まだ飲んでないなら、大丈夫。尾行を続けよう」
一方 敵アジト
「毒入りジュースだなんて……やること古いわねぇ、焔丸」
邪喩するような笑みで立つのは、長い毒蛇のような髪を束ねた女性ーー千種。
「効けば十分だろ?相手は一般人なんだしな」
「それで護衛に動いたら、そっちを狙えばいい。……光龍か炎熊、どちらでも構わない」
🌃夜・帰り道細道
響夜とほのかは並んで歩く。
「最近、何か変わったことなかった?」
「え……?なんで?」
「なんとなく。誰かに尾けられてるとか、妙な影を見たとか」
「……そういうの、あるってわかってて聞いてるよね?」
響夜が一瞬、止まる。
だがすぐ笑ってごまかす。
「冗談。心配なんだよ、クラスメイトだから」
(嘘だ。彼の目が、笑ってない)
その瞬間、後方の茂みが揺れる。
ーーパチッ!
「むっ!」
光の術符が走る。
むつるの「閃捕符」が闇の中の敵を炙り出す。
「来たな、千種」
屋根の上から、楓とむつるが飛び降りる。
「へぇ……ほんとに来たんだ、子供忍者たち」
千種は赤黒い煙のような毒霧をまといながら、手元に毒針を浮かべていた
「毒霧・万華繭」
瞬間、視界を包む霧ーー!
「炎熊、風術で巻いて!」
「焔舞・旋風炎!」
火の旋風が霧を吹き飛ばす!
視界が開けたその中央に、毒の微笑を浮かべた千種が立っていたーー
「さぁ、遊びましょ?」