*原作無視
*口調迷子
*夢主名前固定
*死ネタ
*んりたコンクール・感動部門
profile
朝霧氷雨/アサギリヒサメ
雨の呼吸の使い手
水の呼吸から派生
壱ノ型…霧雨の斬り
弐ノ型…雫の舞
参ノ型…時雨落とし
肆ノ型…悲雨の囁き
伍ノ型…雨上がりの微笑み
終ノ型…永遠に降る雨
『富岡さん』
『雨の呼吸 壱ノ型 霧雨の斬り』
『守れて…よかっ、た……』
読み切り/雨止まぬ恋
Start
――――――――――――――――――――――――――
雨が降っていた日だった。
あの人に、初めて出会ったのは。
静かに降りしきる雨の中、私達は出会い、そして別れた。
――――――――――――――――――――――――――
任務先で出会った水柱様―――富岡義勇さん
「お前は…雨の呼吸の使い手か」
彼は感情の起伏を見せない人だった。
声は低く、無表情で、何を考えているのか分からない。
でも、その目は澄んでいた。
静かな水面のように澄んでいて、儚げで、どこか冷たい。
『はい。朝霧氷雨、鬼殺隊 壱ノ隊所属です』
「宜しくな。」
『こちらこそ宜しくお願い致します』
彼はふっと短く息を吐いた。
それが――彼なりの笑いだったのかもしれない。
♦
それから何度か任務を共にした。
多くを語る人では無かったけれど、
沈黙の中に彼の優しさが滲んでいた。
私が負傷したとき、彼は一言も言わずに手当をしてくれた。
任務帰りに足を止めて、夕日を見上げていたこともあった。
目を閉じて、雨の音をただ静かに聞いていた夜も。
「……朝霧」
不意に、彼が名を呼ぶことがあった。
その声はまるで水が石を打つように淡くて――どこか寂しかった。
「……お前はなぜ鬼を斬る」
『家族を殺されてしまって。それで、鬼狩り様が助けて下さったので』
『私も守る側に行きたいと思い、鬼を斬っております』
「そうか」
『水柱様は、何か経緯などはあるのですか?』
「富岡でいい」
『富岡さん』
そう復唱すると口角が微かに上がった気がした。
「俺も家族を人を鬼に殺されたからだ」
嗚呼この人も苦しい過去を持っていると、そう思った瞬間だった。
彼も似たような過去を背負っているのだと。
♦
任務の帰り道、雨が降っていた。
『雨ですね』
私が呟くと、彼は空を見上げた。
「俺は雨があまり好きでは無い」
「だがお前の呼吸に似合っている」
『ふふ、よく言われます。でも――』
『私は晴れよりも雨が好きなんです。
雨の中では人の涙が目立たないから』
彼はその言葉に一瞬だけ瞬きをした。
そしてぽつりとこう言った。
「……確かに、な」
その一言が妙にあたたかくて。
私はきっと、その時にはもう――
彼に惹かれていたんだと思う。
♦
それは格上との鬼との任務だった。
富岡さんと私、そして別の隊士3名での共闘。
だが、鬼の力は想像以上だった。
次々に仲間が倒れ、最後に残ったのは私と――富岡さんだけだった。
鬼の首を斬った――そう思った刹那、
その手が再び動いた。
『――ッ!』
富岡さんに向かって伸びた鬼の長い爪。
その一撃を私は――迷わず身を投げて防いだ。
胸を裂かれる激痛。
息が詰まり、視界が滲む。
「朝霧ッ!」
富岡さんの叫び声が初めて、心を震わせた。
こんな声が出る人なんだ――
そんなことを、私はぼんやりと思った。
「どうして、庇った……!」
彼の手が、私を支えていた。
雨が彼の髪から滴り落ちていた。
まるで、泣いているみたいだった。
『…富岡さんが死ぬなんて――そんなの嫌…ですから』
「馬鹿な真似を……!」
『ふふ……最期くらい、格好つけさせて……ください』
「朝霧……!」
『――私、富岡さんが…義勇さんがす、きでした……』
この言葉が、最期に、どうしても言いたかった。
義勇さんの顔が、歪んだ。
泣いているように、見えた。
「やめろ、喋るな。今すぐ手当を――!」
『もう、いいんです……これで…義勇さんが生きてくれて…よか、った……』
私の視界は静かに暗くなっていく。
けれど不思議と怖くなかった。
最期の景色が、貴方で、良かった。
雨が止まないまま、降っていた。
♦
雨の中、墓の前に立っている。
あの日から、何度も雨が降った。
だけど――その雨音が今は少し、優しい。
「朝霧。鬼舞辻を倒したぞ」
誰も居ない墓前に低く呟いた。
「俺はお前に何も返せなかった。
繋いでくれた命なのに」
「名前を呼ぶことも。想いを伝えることも」
墓の前にそっと一輪の白椿を置いた。
「でも――あの時、お前が俺を救ってくれた意味は、忘れない。」
雨は彼の肩を濡らしていた。
まるで、あの日と同じように。
けれど今は、涙が落ちても、きっと誰にも分からない。
だからこそ、彼はそっと口を閉じて呟いた。
「朝霧氷雨……ありがとう」
その名を、最後にもう一度――優しく呼んだ。
あとがき↪
この度『んりたコンクール』に参加させて頂きました
皆様の作品も読ませて頂かせたんですが凄く上手で私語彙力の幅めっちゃ狭いのかな…と不安になってきます笑
初めての舞台!鬼滅の刃!
いつもながら原作無視、夢主名前固定はいいとして…
初めて死ネタを書かせて頂きました!
どうでしょうか…?
自分が未熟で皆様にお伝えできない感動シーンもあったりしますが…笑
賞を取れるよう自分なりに最善は尽くしたつもりなので!
皆様も是非『んりたコンクール』参加してください!
ではまた何処かで
検索の場合は『』を抜いて下さいね!
是非『白椿』の花言葉検索もお忘れなく
鬼滅の刃、原作も面白いのでそちらも是非
コメント
4件
雨って単語まじすきぃ☔️ まじ最高だよぉぉぉ👍 え、もう天才やん👏 一つ一つの文に意味があるっ‼️
はわわわわわ…🥹冨岡さん大好きなんです😿🩷設定とか内容がすっごく細かくて読みやすくて……儚い感じがとっっっても好きです🫠白椿の花言葉も調べさせてもらいました🤲🏻作品にめっちゃあってて感動です😭 コンテスト参加ありがとうこざいました‼️ 結果発表楽しみにしててください🤗💙