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チャーリーと出会って半年が過ぎた頃。
エクスターミネーションの時期が迫り、ついに当日を迎えてしまった。
地獄は不安や恐怖で包まれ、街全体がざわついている。
そんな空気に慣れている殺人鬼ラジオスターの2人は、むしろ楽しむようにその場に立っていた。
シャットはアラスターに近づき、差し出す。
シャット「アラスター、これあげる」
アラスター「これは?」
シャット「私とあなたの魂を繋ぐ指輪です。これで相手の生死が分かります」
アラスター「これを…私に?」
シャット「もちろん。ピンチになったら呼んでくださいね。私は暇だったら行くので」
アラスターはしばし指輪を見つめ、胸が熱くなるのを感じた。
この小さな輪が、自分たちを繋ぐ力になるのか――それだけで少し心が軽くなる気がした。
アラスター「ありがとう、シャル。せっかくなら左手の薬指につけましょう」
シャット「嫌です」
アラスター「照れないでください」
シャットは目をそらす。
心の奥底では、指輪が自分たちの命を重ねる象徴だと理解していた。
だが、だからこそ、甘えきれない。自分はまだ、アラスターの隣で安心してはいけない――そんな気持ちがあった。
外に出ると、地獄に似つかわしくない光が差し込む。
ヴァギー「みんな!来るよ…!」
光の中から、大量の天使(エクソシスト)が襲撃してきた。
アラスター「さぁ、殺戮の始まりですよ!カカカッ!!」
ラジオノイズの笑い声と共に黒い結界が展開され、天使たちを阻止する――はずだった。
しかし、最初の男・アダムがその結界を破った。
アラスター「アダムゥ! この後死ぬ最初の男!」
アダム「お前誰だよ」
アラスター「アラスター。お会いできて光栄です。実に嬉しい!あなたのクソったれな人生を終わらすことができるなんて!」
そう言って、マイクのステッキを地面に叩きつけると、触手が地面から伸び上がった。
アダム「いい声だ。戯言を言うとは女々しいな!」
人喰いタウンにて、シャットは深呼吸をして、心を落ち着かせた。
シャット「いいですか?守ってください。一応ここは地獄で1番安心なんです」
ロージー「分かってるわよ。あの死体のお礼ね」
シャット「えぇ。もし守れなかったら、あなたの魂を引き裂きますからね」
ロージー「えぇ、行ってらっしゃい」
シャット「…ではムーサ…ここにいてくださいね」
指を鳴らすと、シャットは影に隠れた。
ムーサ「…シャルロット…」
アラスター視点。
アダム「本気で私に勝てると思っているのか?死すべき魂なんて所詮私の相手じゃない!」
アラスター「宿命を背負った魂がどれ程の価値か、あなたは誰よりもご存知でしょ?」
小さな影を生み出し、アダムに向けて突撃させる。
アダム「うおっ!ちっ…!自分を強いと思っているだろ?」
アラスター「あなたよりもね。ハハッ!鍛錬不足で自制心もない。全くだらしない!」
アダム「ちっ…!クソが!この全身クソ真っ赤か野郎、だまれ!!」
触手でアダムを投げつけるアラスター。
アラスター「ハハッ、ポエムですね」
アダム「お前のニタニタ笑いをかき消してやる。ラジオはとっくにオワコンなんだよ!」
ギターを斧のように変え、斬撃を放つアダム。
アラスター「“何があった?”」
ステッキが折れ、声にエフェクトがかからない。
アラスター「クッ…くそっ!」
その瞬間、アダムの攻撃が胸を貫く。
アラスター「あ゛ッ!カハッ…」
壁に叩きつけられ、血を吐く。
だが、アラスターは笑みを浮かべた。
アラスター「ラジオはオワコンではありませんが、今日の放送はここまでです」
影の中に消えるアラスター。
モニターで状況を見ているチームV。
ヴォックス「よっしゃ!!SEXより気持ちいぜ!!」
アダム「あばよビッチ…!?」
その瞬間、地獄そのものが襲いかかるような恐怖が辺りを包む。
アダム「…!?…ルシファー…?」
黒い翼、大きな角、威圧感。
だが、光輪はなく、翼は二枚だけ、髪は長い。
ルシファーではない、別の悪魔だ。
左の薬指には小さく光る指輪。
翼で黒い霧を払い、正体を現したのは――シャットだった。
チャーリー「シャット…来てないんじゃ…」
ハスク「なんで来たんだ…シャル…」
アダム「シャット…?あぁ!リアンナが言ってたのはお前か。てか、マジかよ。さっきの全身赤いやつより強いんじゃねぇか?」
シャット「そんな呑気に話せる状態じゃないんです」
翼を大きく広げ、羽ばたく。
耳がキーンと鳴り、地獄中に耳障りな高音が響き渡る。
アダム以外の天使は次々と地面に落下した。
シャット「“よくも私の大切な人に傷をつけましたね”」
わざと声にラジオのエフェクトをかける。
シャット「最初の人類だもの…最初に死ぬ男くらいにはなれますよね?」
アダム「ハハッ…クソだな。この地獄には私に感謝の言葉すら言わない」
シャット「“ラジオネーム『最初の人類』様のための放送が始まりました”
“It’s we. It’s Radio Time.”」
#バレンタイン