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「なァ~、腹減ったァァ・・・」
「え、もう? さっき食べたでしょ」
「足りん!」
ドン!と効果音のつきそうな顔で言い切ったルフィくん。
そんなドヤ顔されても、今冷蔵庫ほとんど何も無いし・・・。
「・・・あ、」
「何だ?」
「ちょっとしたケーキくらいなら作れる」
「ケーキか!?」
卵と牛乳、砂糖、バターに、奇跡的にベーキングパウダーもあった。
・・・ベーキングパウダーはいつ買ったか忘れたけど、賞味期限は大丈夫だし使えるだろう。
「まぁ、久しぶりに作るから上手くできるか分からないけどね」
「大丈夫だ、○○の作るやつは何でも美味いぞ!」
「やだ嬉しい」
こんなにベタ褒めされるとは。
完全に作り方を忘れたので、携帯で調べながら材料を混ぜ合わせていく。
「ふーん、ケーキってこうやって作んのか!」
「見たことないの?」
「いつもサンジが何か作ってる間、おれとチョッパーとウソップはキッチンから放り出されるからな」
「・・・邪魔しちゃうんだね」
バタバタ走り回ってるイメージができる。
ルフィくん以外の船員さんは顔もわからないけどね。
・・・にしても。
( 意外と、身長あるんだ・・・ )
隣でボウルを覗き込んでいる彼は、私より頭一つ分程高い。
私が小柄なのもあるだろうけど、童顔に似合わず筋肉も凄いし。
( ギャップ萌え、ってやつ? )
いやいや萌えてない萌えてない、と首を数回横に振って、生地を型に流し込んだ。
ひとつはオーソドックスにプレーン、もうひとつは砕いたチョコレートを混ぜた。
余熱したオーブンにいれて、約15分。
「できたー!」
「おぉぉお!! 美味そーっ!!」
ほぼ初めてにしては、上手くできたんじゃないかと思う。
少し冷ましてからカットして、お皿に並べた。
紅茶も入れて、ティータイムだ。
「うんめェ!すげーうめェ!」
「ほんと?よかった」
ルフィくんは毎回絶対、作ったものを美味しい美味しいと平らげてくれる。
かなり大食いだから作るのは大変だけど、こうして食べてくれると本当に嬉しい。
( ・・・良いなぁ、こういうの )
幸せだなぁ、と、ケーキをリスのように頬張る彼を見て思った。
「何だ○○、食わねェのか?
じゃあおれが全部食うぞ!」
「あぁあ待って、せめて一口!」
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コメント
1件
ルフィーかわゆい(≧∀≦) あと普通に面白い∩^ω^∩