コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
2章:生と死。
20話:危険な方針
朝日秀蘭
→痛覚 創造を具現化する能力
導奇秋
→視覚 生死を導く能力
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーガチャ
「あ、夏希。おかえり」
ただいま と仁男と話をつけてきた夏希が部屋に戻ってくる。
「ふぁ〜よく寝たぁ!」
「おはよう、シュウさん。腕は大丈夫?」
「うん!夏希さんのおかげで良くなってる!」
あれから四日。孤児院は落ち着きを取り戻し、来週には破損部分の補修工事も決定したらしい。
私たちは回復に努め、調子を取り戻している最中だ。
だけど、ゆっくりはしていられない。
「次の方針を決めていかないとね。」
ベットから飛び降り、シュウは準備万端!という声色で返事をする
「うん、そうだね!…ってダイン。なんで端っこにいるのー?」
ダインは机と入り口の間で腕を組んでいる。
「いや。俺はお前らの手助けをするだけだからな。それに、積極的に動くのはお前の役割だろ、シュウ。」
「そっか!…ん?そうなのか…?」
「ダインが良いなら私は大丈夫だよ、シュウ。」
みんなが好きな場所で各々話し合う。 悪い気はなく、むしろ順調に進んでいく。
ダインもウカイハに言われたことを守っているようだった。
「んーと、なら次はカフリーア大陸に行くってことでみんないい?」
「ええ、大丈夫よ。…にしても次は双子神に会いに行くなんて、神様って意外と近い場所にいるのかしら。」
「かもしれないね。」
双子神、シサイ・テサイ。数百年前の大戦争でマーサル神社に封印された神。めっちゃ頭いいってウカイハが言ってたっけ。
「カフリーア大陸か…。暑さが厳しい気候で、砂漠が有名な六大陸一の大地だよな。」
ダインは一点を見つめて、ぼーっとしているように見えた。
「ダインも何か知ってるの?」
すると急に困ったような顔をして、暗い声のトーンで一言漏らす。
「…俺の仲間…五当主が一人いる。」
「え…それって…。」
「あぁ。俺が一緒に行動したら鉢合わせる可能性が上がるだろう。」
それは…マーサル神社への道が危険になる。
かと言ってダインは私たちと行動するっていう懲罰が下りている。それが分かっているからダインも…
「…。で、でもさ。五当主って色んな地域にいるんでしょ?だったら、どこ行ったって危険なんじゃないかな?」
「…そうだね。シュウの言う通りだよ。」
だったら少しでもその人の情報があったほうがいい。
「そのダインの仲間ってどんな人なの?」
「月夜の歌姫と呼ばれている。カフリーア大陸の金銀を採掘する大手企業があるだろ?その裏で繋がってる組織のトップだ。」
「歌…姫…?」
ダインは言いにくそうに伝える。
「…人を殺しては死者に歌を捧げるんだ。そこからこの異名がついている。」
な、なんて残酷なんだろう…。
ダインも目的のために無差別に人を傷つけていたけど、この人はまるでそれを娯楽として楽しんでいるみたい。
「だから十分に気をつけろ。奴と同じくらい、狂ってるからな。」
「分かったわダイン。ありがとう。」
その後も食料や厚さ対策など様々なことを話し合った。
…
「オや、イつも寝ている神が起きているなんて。」
「珍しいことモ、あるもんですネ。ウカイハ。」
「ん…?あぁ其方たちか。何用だシサイ・テサイ。」
ほとんど同じ容姿の子ども姿の男子がウカイハに話しかける。
「タだ、貴方が起きていたから」
「面白いナって思いましてネ。」
「なぁに、最近は我よりもうんと面白いことがあるぞ。」
「…?ナんですか?」
ウカイハはニヤッと口角を上げて笑い、
「ファイルナじゃよ。感生の子が集まりつつある。」
双子神は冷静な顔つきのまま驚いた。