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昨夜は一睡もできず泣き明かしてしまったから、いつしか深い眠りに落ちていた。泥のように眠った。いやなれるものなら泥になりたかった。
今、何時だろう? 窓からの夏の日射しがまぶしい。冷房が効いているから暑くはない。下半身がすうすうするのはそのせいか。あれ、朝に一回起きたときエアコンを切ってそのままだったような気もするけど――
えいっと心の中で気合いを入れて目を開けると、笑顔の彼女と目が合った。
「君はまた勝手に人んちに上がり込んで……」
下半身がすうすうする理由も分かった。毛布は上半身しかかかってなくて、しかもパジャマとパンツが膝まで下ろされていて僕の性器がむき出しになっていた。前にもこんなことがあった。言うまでもなく彼女のイタズラ。大げさにため息をついてズボンとパンツを腰まで上げて、頭まで毛布をかぶってまた眠ることにした。
「怒ったのか。汚いものを見るような目でボクを見るな」
僕が不機嫌なのは寝ているときにされたイタズラのせいではないし、汚いものを見るような目で見るなと言われても今は無理だ。
「怒ってるかどうか自分でもよく分からないけど、少なくともうれしくはない」
「ボクなら好きな人には喜んで裸を見せたいけどな」
ということは、君は僕に裸を見せたことがないから、僕のことは好きじゃないんだね。元彼の陸はともかく、好きでも何でもなかった雅人や圭太にも、ただの裸だけでなくセルフプレジャーする姿までさんざん見せていたくせに。
と言いたかったけどやめた。彼女の行為動画を見たショックからまだ全然立ち直れていない。彼女とケンカする気力も体力もなかったから。