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「すまない……先生……?」
すまない先生はキョトンとブラック達を見て
「あれ?みんな見た目違うね?イメチェン?」
と言った。風夜は顔を抑えた。
「どうしました?」
「……もしかしたら……元のすまない君……消えちゃったかも……」
『はぁ!?』
全員(すまない先生除く)の声がハモった。
「最早何が起こってもおかしくないんだ!そもそもから、破り捨てられた本が再生する事からして“ありえない”状況だ」
「と言うことは今のすまない先生は……」
「精神が擦り切れて本を破り捨てる前の……君達が知らない【英雄・Mr.すまない】だ」
すまない先生はキョトンとしている。
「……これ、どうするんですか……」
「そんな事言われても……」
「ねぇねぇ、みんなイメチェンなの?というか仮面外してるブラックなんてレアだね?」
すまない先生は嬉しそうにキラキラした目でみんなを見ている。
「あの……風夜???」
「いや……本当に……何があってもおかしくないから……と言うか……別のベクトルと精神擦り切れてるかもね……なんか幼いし……」
「貴方から見たらみんな幼子でしょうよ」
「まあ、それはそうなんだけどさ」
「ねぇねぇ、なんで無視するの?」
妙にダル絡みしてくるので
「ちょっと黙っとれ」
と言うと黙った。
*****
「ちょっと……ここどこなんだよ?」
『精神世界さ』
振り返ると自分にそっくりな青年が立っていた。しかしその髪は短く、英雄の服も色合いが少し違う。
『初めまして。僕は【英雄・Mr.すまない】。ヤマタノオロチを倒し、この身に不老不死の呪いを受けた____まぁ、記憶を破り捨てる前のお前さ』
「……なんで君がここに?」
『あの本だよ。僕の本が再生したせいで僕は蘇った。本当はこの体を使いたいんだけど、今は君がこの体の主導権を握ってるから僕は裏人格として蘇って、今は僕が表に出てるってわけさ』
そう言って記憶を破り捨てる前のすまない先生____Mr.すまないは笑った。
「君さぁ……表に出ながら精神世界でお話って器用だね」
すまない先生が嫌味たっぷりにそう言うがMr.すまないはどこ吹く風の言った様子で微塵も気にしていないようだ。
「ちょっと、返してよ。あの子達が混乱するでしょ!?!?!?」
『それは風夜君がなんとかするでしょ』
「人任せ!」
『だいたい君はここから出たら僕と話した記憶は消える……二重人格って事すらわからなくなるんだよ?』
「それでも良いから……さっさと返せよ!」
すまない先生らどこから取り出したのか分からない金属バットで、Mr.すまないの頭を思いっ切り殴った(笑)。
*****
「……あ……」
すまない先生が微かな声を漏らし一瞬気絶したかと思うと、再び意識を取り戻し困惑しているみんなを見て
「どうしたの?みんな」
と言ったのでみんなの頭の中には疑問符が増えた。
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