──────八幡宮視点──────
「あははっ遅い遅い!」
私は思わず笑ってしまう。あんなにも私を殺すだの、救済するだの言っているくせして、それはなんとも貧弱な動きであった。狙いが定まっておらず、簡単にかわすことが出来る。所詮、口先だけなのだ。神が私に生きることを強制しているのに、天使と悪魔のハーフごときが、それを解放することなど不可能なのだから。そんなことは、とうの昔に知っている。
「ッは───ッ!!」
そんな気合いのいい声と共に先程の太刀筋とは違い、正確な一撃が繰り出される。確実に心臓を狙っていることはわかるが、簡単に避けれた。
「───あぁなるほど。そういう事か。」
私は、わかってしまった。ぐさおさんの勢いが落ちた原因を。これならば、納得がいく。
「私達の人数分の力を持ってた訳ねー?」
『公平』。その名の通りだ。人数の不利をそのまま力に上乗せしていた。だから、人数が多いうちは強いのだ。ただ、人数が減った今───それは弱くなる。皮肉な話だが、大人数になればなるほど強くなり、減れば減るほどその効力は薄れるのだ。まあ、なんともわかりやすい能力だ。しかし、分かれば簡単だ。あとはさっさと心臓を──────
「ふふっやっぱり八幡さんは頭が固いな〜。突発的行動は狂人だけどそれ以外は頭の硬い人だね。」
そう言いながら私を憐れむように笑う。何故、ぐさおさんが笑っているのか。私には分からない。よっぽど狂っているのか、はたまた───
「───私が偽物だって気づかないなんて」
そう言って、私は突然宙へと浮き上がる。一気に急上昇し、視界が瞬時に変わり、私の脳が追いつかない。
どうやら金色の浅い器のようなものの上に乗せられているらしい。キラキラと光るそれはまるで、私を祝福しているかのようだった。
「───?」
この器をあげたであろうものは金色の棒が少し離れた場所にあり、その対になるであろう位置にはぐさおさんが座っていた。
「これ、は?」
「____だから頭が固いんですよ。」
ぐさおさんがそう言いながら膝を地につけ、両手を握り込み、まるで神に祈るかのよう───懺悔とも言えるポーズをとる。
「どうせあなたは死ぬんです。教えてあげますよ。」
ぐさおさんがそう、瞳を閉じながら説明をしてくれる。なんだかんだ親切なのはぐさおさんの人柄から来ているのだろう。
「この天秤。基本的には弱い方が生き残るんです。それを判断するのがこの天秤。だから私はさっき、弱そうにしたんですよ。」
そう言いながらも、彼女は祈り続ける。───神に祈る行為を見るのは嫌いだった。だって、私が大っ嫌いな記憶を思い出してしまうから───。
ここで切ります!本当にすみません!短くなってしまい…時間が無く、途中まで頑張ったんですけど時間が無くて…次回いつもよりもちょっと長く書きます。八幡さんの過去について少し深堀していきますね!
それでは!おつはる!
コメント
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基本的にはってことは例外もあったのかしら…