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その前に… お前もぶちこ(( 危ない危ない💦 裏こい!!
館の薄暗い廊下を、僕は足を引きずりながら必死に進んでいた。背中におんぶした莉犬の体はいつもより軽くない。
莉犬は熱に浮かされ、荒く浅い呼吸を繰り返していた。
胸の動きがどんどん小さく、かすれた咳が背中から伝わってくる。
爪は肩に深く食い込み、痛みがじわじわと体中に広がったが、振りほどくことはできなかった。
莉犬「るぅちゃッ…息がッ…!!」
莉犬「できなッ……苦しッ……!!」
小さな声は震え、途切れ途切れだ。
僕はそんな莉犬の体を抱きしめながらも、足がもう限界なのを感じていた。
鉛のように重くなった脚を無理に動かし、出口を探しても、目の前の景色は変わらず同じ壁紙とカーペットの繰り返しだった。
るぅと「莉犬、深呼吸、深呼吸しよッ…?」
必死に声をかけるが、莉犬はパニックに陥り、過呼吸の発作がますます激しくなっている。
莉犬「いやあああああ!!助けてッ!ポロポロ」
莉犬「るぅちゃッ、いやあぁぁぁぁッッ!!」
背中で小さな体が暴れ、爪が肩に刺さる痛みが増した。
咄嗟に振り返ることもできず、ただ前だけを見て走り続ける。心臓は破裂しそうに鼓動を速め、息は切れ切れだ。
その時、冷たい囁きが暗闇の中から響いてきた。
恵美子「逃げすものかッ!……お前たちはッ!」
恵美子「子供を奪った罪人だッ許さないッ…!」
館の空気は凍りつき、周囲の闇が生きているかのように二人を締め付けた。
遠くに、女の姿がゆらりと浮かび上がる。ぼろぼろの着物、長い黒髪、瞳は狂気に満ちていた。
恵美子「お前たちのせいでッ…!」
恵美子「私の子は死んだッ……」
女は低く嗤いながら二人へ向かってくる。
莉犬は恐怖で全身が震え、涙が止まらず、咳き込むたびに肩越しに嗚咽が漏れた。
莉犬「いやぁぁッ…いやだッ…怖いよッ…」
莉犬「るぅちゃッッ…」
その声は痛々しく、胸が締め付けられた。
るぅと「莉犬、お願いッ…」
るぅと「もう少しだけ耐えてッ…」
るぅと「絶対に莉犬を守りきるッッ…!!!」
痛みと疲労で足が震えながらも、必死に莉犬を抱き締めて歩き続けた。
だが、莉犬の苦しみは増す一方だった。
熱は下がらず、咳は止まらない。
過呼吸によるパニックは深刻で、彼の小さな体はまるで爆発しそうに震え続けていた。
莉犬「るぅちゃッ…息ッ…助けッ…」
その声は切羽詰まり、かすれて嗄れている。
そんな莉犬の体を強く抱きしめ、震える背中を必死で支えながら、一歩一歩足を動かした。
だが、僕の足はもう限界に近く、鉛のように重かった。
館の暗い廊下は終わりのない迷路のように入り組み、同じ壁紙と薄暗い灯りが二人の視界を欺く。
疲労と絶望、恐怖が重く心を締め付ける。遠くからは、凍てつくような女の冷たい声が冷たく響きわたり、闇をさらに深く沈ませていた。
震える手が肩をぎゅっと掴む。
汗で滑る手をなんとか掴み返し、背中を撫でて落ち着かせようと必死だった。
るぅと「莉犬、深呼吸してッ…ポロポロ」
るぅと「ゆっくり…ゆっくりッ…!!」
しかし言葉は莉犬に届かず、莉犬はまた激しく咳き込み、嗚咽を漏らす。
背中にしがみつく莉犬の体は、熱に浮かされて真っ赤に染まり、荒く乱れた呼吸はまるで息が足りていないかのように浅く、途切れ途切れだった。
咳が何度も止まらず、喉の奥から乾いた苦しげな音が漏れる。
背中に食い込む小さな爪は肩に深く傷を残し、痛みは僕の体中にじんわりと広がる。
しかし莉犬は、震える体を揺らしながら、必死に離れまいとしがみついていた。
女の声は館じゅうにこだまし、絶望と狂気の重圧をさらに強めた。
恵美子「許さないッ…!!ポロポロ」
恵美子「お前たちの罪は消えないッ…!!」
恵美子「永遠に苦しめッッ…!!!」
莉犬は恐怖に押し潰され、声は絶叫と嗚咽の混じったものになり、背中で暴れて爪をさらに深く食い込ませた。
るぅとは苦痛に歯を食いしばりながら、腕で抱きしめて守るしかできなかった。
るぅと「もう少しッ……絶対に諦めるないッ!」
だが館の迷路は永遠のように続き、出口は見えない。
疲労でふらつく足は重く、肩の痛みは激しくなっていく。
るぅと「莉犬、もう限界ッ…」
しかし莉犬は必死に震えながらも叫ぶ。
莉犬「いやだッいやだよるぅちゃんッ…!」
莉犬「怖いのッ!!ポロポロ」
館の暗闇は二人を包み込み、絶望の波が襲いかかる。
女は執拗に追いかけ、呪詛の言葉を繰り返した。
恵美子「お前たちは子供を奪ったッ…」
恵美子「罰を受けろ…ッ!!ポロポロ」
その狂気の中、涙を堪え、背中の小さな命を守るために全てを振り絞った。
館の闇が二人を包み込む中、恵美子の狂気はますます凶暴化していた。
僕の足は限界を迎え、肩に深く食い込む莉犬の爪が耐え難い痛みとなって襲いかかる。
しかし、逃げることしかできなかった。
るぅと「もうだめだ……」
と、心の中で何度も何度も叫んだ。
その時、背後から冷たい空気が押し寄せ、恵美子の影が襲いかかる。
恵美子「許さないッ…!
恵美子「次はお前たちの命を奪ってやるッ…」
彼女の手が首元に伸び、冷たく締めつけるような感触が迫る。
莉犬は背中で悲鳴を上げ、過呼吸と熱で震えながら、もがき苦しむるぅとを見て自分も助けたいと必死だった。