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「…え、誘拐?」
りうらが西の方に行き、医術に詳しい雪女ー初兎に行った時第一声がそれだった。
「ゆー、かい、?」
「あぁ、!気にせんといてな…!」
やっぱり気にせず何でもかんでも喋っちゃうとこが良くないとりうらは思う。
ただ、子供だから屈んで目線を合わせて話すとこはやっぱり彼の優しさの現れなんだと思う。
「んで、治せそうなの?」
「当たり前やなw骨、折れたくらいだったら余裕やで!」
そう言ってほとけの手をゆっくり引きベッドがある部屋へと案内する。
「ここに寝っ転がってな〜りうちゃん麻酔持ってきて〜!」
「はい、どうぞ」
「ありがとなー、じゃあ少しチクッとするで〜」
注射に麻酔を入れゆっくりと手順を踏んで腕へと刺す。
「……ふー、…」
初兎の手術は他の手術よりも簡単ではある。
雪女ではあるが氷も対象だからとても固く溶けない氷で骨の複製を作り折れてしまったものと取り替えるという方法。もちろん外部から固定はしておくが1週間程度だ。
だがその分妖力を信じられないほど消費する。
人間の体というのはとても繊細で精密なためその複製を作るというのはとても集中力を使う。
「大丈夫?水いる?」
「大丈夫…ふー、とりあえず複製作れたから入れてくで、グロいの苦手やったら…」
「…ないくんと一緒にいるのにダメだと思う?」
「確かにそうやなw」
りうらの師匠でもある妖怪の長のないこは強くもある。だが…
「いい加減あの戦い好きもやめて欲しい…」
「長く生きた妖怪は戦いが好きやからしゃーないでw」
一生懸命複製を入れながら雑談をする。
「ん、完了。あとは少し安静にしてれば平気やで」
「ありがと初兎ちゃん」
「…んで、鬼様はいつまで玄関に居座るおつもりですか?」
「…バレてたんか☆」
「相変わらず鬼っぽくないねアニキは」
「んまぁ、悪いやつなんかそうそういねぇしな」
鬼である悠佑はよく、犯罪者を取り締まるため地獄や現実を行き来して罰しているがニュースやラジオで放送されるほど案外犯罪者は多くないそうだ。
「人間どうしても悪い方に目がいきがちなんやけど案外日本は幸せやで〜」
「…ちゃっかり深いこと言うよね」
「?何の話や?」
「りうちゃん、ゆうくんに言っても伝わらんてw」
「…んでなんの訪問なの??」
「あぁ、久しぶりに涼みに…」
「ここ!一応!診療所なんやけど!?」
「…まぁまぁ熱中症ってことで」
「なう12月ですが??」
2人は仲がいいのだが口論になると止まらない。
…まぁそれすらカップルの軽い喧嘩みたいな内容だが…
「…もう、りうら帰るよ…?」
「あ、おけ!またな!あ、後ろにないちゃんいるで〜!」
…いつのまにか入ってくる長。威厳はなく、とことん軽い…。
「一緒に行こ、りうら」
「げっ、りうら飛ぶから走ってきてよ」
「?猫又さんに送り届けてもらうよ」
「…妖怪の長ずる…」
少し恨みの入った目でないこを睨みながらゆっくりとほとけを抱き抱えいふの元に向かったのだった