テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
許さない。良くも私の肉親をッ!!
私は初めての憎悪に身体が煮えたぎった。
「殺す。絶対に全部殺して地獄に引き摺り出してやる。」
私は日向の亡骸からクナイを取り出した。両手には自分と“最愛の姉”のクナイを握りしめていた。
私の心を照りつける太陽を背に、私は自分のいる崖の下に敵がいる事を確認した。ここが崖の上だろうと関係ない。私は問答無用で飛び降りた。
私の曇った目は絶対に獲物を逃さない。絶対に仕留める。私はクナイを刺した。相手の返り血が私の感情をもっと暗く染めていった。
あるはずだった幸福も、最愛の姉との別れも、目の前にあった両親の愛情も、春樹との友情も、私自身が掴めなかっただけなのに絶対掴めない物と認識していた私は、なんて滑稽なのだろう。
なんでもっと早く気づけなかったのだろう。
私はどれだけ命に嫌われているのだろう。
嗚呼。きっと全てに身を委ねれば楽になれる。
どれだけの人を殺めも絶対に姉は帰ってこないと言うのに私は自分が勝手に決めつけた考えをきっと神様は叶えてくれると思った。
殺して殺して殺して殺して殺して殺して殺して
何も考えられない中、姉の声が私の頭に響いた。
『きっと私達と同じように人を殺したくないと思ってる敵だって居るよ。』
その声を聞いた時、もうこの戦場に敵など居なかった。
私が全員殺めた。 無双した。
気がつくと怪我を癒してくれる団体がやって来た。
「る….流華さん…?」
やって来た人達のこわばった顔を私は忘れない。私は遂に姉は本当に死んでしまったのだと受け止め、涙を流した。
姉が私を守ってくれた。命を繋いでくれた。手を握って抱きしめたくれた。さよなら日向。でもいつか私もそちらへ行くよ。いつか会えるその時まで
_____________さよなら_____________