〜君のニセモノに恋をする〜
吐く息の白さと
振る雪の多さに嫌気がさす
子供の頃は、雪が降るだけでも嬉しかったのに
今は不便さや不快感も感じてしまう
どうして変わってしまったんだろう
急ぎ足で会社までの道を歩きながら
ビルの隙間から差し込む光を眩しそうに見つめる横顔
少し先へ走っては転ぶ、危なっかしい後ろ姿
どのお店へ行っても
何をしていても、幸せだと微笑んでくれた
泣き顔なんて見たこと無かった
…
(あぁ、また余計なことを考えてる)
僕はこの街が嫌いだ
この場所に居ると、キミのことを思い出してしまうから。
それでも僕かこの街を離れられないのは
ここにいつかキミが戻ってきてくれるんじゃないかと
期待しているからだと思う
出社までまだ時間が十分に余っている
僕は駅付近にある、店に足を運んだ
すると
懐かしい光景が視界に入った
2年ほど前までここの小さなカフェでバイトをしていた
そこでお客さんとして現れたのが”奈々”だった
(初めて会った時、奈々泣いてたんだよな)
過去を思い出しながら
ぼんやりと店内を覗き込む
僕は自然とあの席の方へ向く
かつて彼女が座っていた場所
「え?」
何気なく眺めただけだった
けれど目の前の光景に
僕は釘付けになる
「嘘だろ?」
あまりの衝撃に自然と声が漏れていた
あるハズのない姿が。
コメント
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続きは明日出す予定です!出せなかったらごめんなさい!